新連載[簡単サウンドチューニング]良い音で日々のドライブを楽しもう♪

三菱電機・DIATONE SOUND.NAVI(ダイヤトーン・デモカー)。
三菱電機・DIATONE SOUND.NAVI(ダイヤトーン・デモカー)。全 8 枚

もうすぐ春がやってくる。それを踏まえ当コラムでは、この心躍る季節の日々のドライブをより充実させるための方法を紹介していく。カーオーディオでは、サウンドチューニング機能を駆使することでより“良い音”を楽しめる。その“簡単”な実践法を解説していく。

当コラムを参考に愛車のサウンドを一層良化させ、春ドライブを満喫してほしい。「音楽とドライブはセット」だと考えているドライバー諸氏は、ぜひご熟読を♪

ベーシックなサウンドチューニング機能でも、聴こえ方を変えられる!?

車内は、絶好のリスニングルームともなる。なぜなら「誰にはばかることなく大音量で好きな音楽を楽しめるから」だ。しかし、ホームオーディオシステムで音楽を聴くのと比べると、不利な要因もいくつかある。

でもサウンドチューニングを実行すると、その不利要因への対処が可能となる。とはいえ、高度なサウンドチューニング機能が搭載されたユニットを用いなければだめだろうと思いきや…。実は、あながちそうとも限らない。極々ベーシックな機能をちょっと操作するだけでも、聴こえ方は結構変わる。

具体的に紹介していこう。まず使える機能の1つ目は「バランス」だ。「バランス」とは、左右の音量差を整えるための機能だ。ただそれだけの機能なのだが、これが案外役に立つ。

なお当機能はデフォルトの状態では、“中央”に設定されている。つまり、左右のスピーカーの音量が同一の状態となっている。しかし1人でクルマに乗っているのなら、この状態はベストではない。右ハンドル車の場合なら、右のスピーカーの音ばかりが聴こえてくることとなるからだ。

でも「バランス」を左側に振れば、運転席に届く左右の音量差を揃えられる。結果、音楽が目の前から聴こえてくるようになる。しかも、音像の立体感もある程度上がってくる。

その理由は以下のとおりだ。カーオーディオで再生される音源のほとんどは“ステレオ”だ。“ステレオ”とは、音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右のスピーカーで再生することで音像を立体的に再現しようとするものだ。そうであるのに片側のスピーカーの音しか聴こえていないと、“ステレオ”の原理が成り立たない。

だが「バランス」を操作すると、その状況をある程度は是正できる。当機能を呼び出し遠い方のスピーカーの音量を上げれば(近い方のスピーカーの音量を下げれば)、“ステレオ”の効果が現れてくる。

『DIATONE SOUND.NAVI』に搭載されている「バランス」と「フェーダー」の設定画面。

前後の音量バランスは「10:0で前」が正解!?

もう1つ、「フェーダー」という機能もなかなかに使える。

これは、前後の音量バランスを整えるための機能だ。で、当機能はデフォルトの状態では大抵、前後の音量差が「5:5」の状態になっている。後席に人が乗っているのならこの設定で良いのだが、1人でドライブしているときにはやはり、この状態はベストではない。なぜならば、“ステレオ”を楽しもうとするときには、音は後ろから聴こえて来なくても良いからだ。

ホームオーディオをイメージして欲しい。“ステレオ”音源を楽しむためのオーディオシステムでは、スピーカーはリスナーの前に2本あれば良い。またコンサートでも、音楽は目の前から聴こえてくる。スピーカーが客席の後方に置かれることはない。

クルマの中でも、音楽は前から聴こえてくればOKだ、なので「フェーダー」は「10:0」(10が前)が正解となる。その方が、音像の立体感も向上する。よりシンプルに“ステレオ再生”を行えるからだ。

ただし、「フェーダーをちょっとだけ後ろ側に振る」、というテクニックも存在している。これが上手くいくとなんと、「低音の増強」が可能となる。

低音は出どころが分かりづらく、そして障害物を回り込む性質が強いがゆえに…。

操作方法は以下のとおりだ。まずは「フェーダー」を「10:0」で前側に振る。そうしてそこから徐々にツマミを後ろ側へと移動させていく。そうすると低音の量感だけが徐々に増えてくる。そしてそこからさらにツマミを後ろ側へと動かすと、今度は高音や中音もリアスピーカーから聴こえてくる。そうなったら動かし過ぎだ。なのでまたゆっくりと前側に戻していこう。そうすると後ろ側から聴こえていた高音や中音の音量が下がっていき、また低音の量感だけがアップする。

このように前後に動かす操作を繰り返し、後ろから高音や中音は聴こえては来ずに低音の量感だけがもっともブーストされるポイントが見つかれば、操作完了だ。音楽が目の前から聴こえてくる状態がキープされたまま、「低音の増強」が成し遂げられる。

これが可能となる仕組みを説明しよう。音は、音程が低くなるほど出どころが分かりづらくなる。そして、低くなるほど障害物を回り込んで進もうとする性質が強くなる。なので、リアスピーカーを小音量で鳴らすと、高音から中音はシートにブロックされて聴こえて来ないが低音だけはシートを回り込んで進み耳に届く。しかも低音は出どころが分かりづらい。ゆえにリアから聴こえてくる音量が小さいときにはそれがリアから聴こえているとは分からず、フロントスピーカーの音と一体化する。

なお、車種によっては(リアスピーカーの位置関係等によっては)このような効果が現れにくい場合もあるが、操作自体は至って簡単なのでトライしてみる価値は大きい。そしてもしも変化を体感できたら、サウンドチューニングを行うことで音が変わる楽しさも味わえる。

『DIATONE SOUND.NAVI』なら、手軽にハイレベルなサウンドチューニングを実践可能!

このように、カーオーディオではサウンドチューニング機能を駆使することで聴こえ方をより良く変えられるのだが、当然ながら高機能なユニットを用いた方が、できることは増えてくる。

高機能なユニットはさまざまあるが、もしもナビを交換できるのであれば、三菱電機の『DIATONE SOUND.NAVI』が候補の筆頭として浮上する。なぜなら「ナビを換えただけで」高度なサウンドチューニングを実行できるようになるからだ。普通、より詳細なサウンドチューニングを実行しようとすると、スピーカーケーブルの引き直しがマストとなる。ツイーターとミッドウーファーを個別に制御することとなるので、信号の伝送も別回線にしなくてはならないからだ。しかし『DIATONE SOUND.NAVI』を使う場合にはその必要がない。個別に制御されたツイーターとミッドウーファーの音楽信号を、同一回線で伝送できる。

ゆえに以下のようなことが可能となる。配線を換えることなく、すべてのスピーカーから放たれる音の到達タイミングを揃えられる。近くにあるスピーカーの発音タイミングを遅らせて、あたかもすべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状態を作り出せる。

結果、“ステレオ”の再現性が一気に上がる。最初に説明したように「バランス」機能を駆使することでもある程度“ステレオ”の再現性は上がるのだが、音の到達タイミングはバラバラのままだ。しかし『DIATONE SOUND.NAVI』なら、それを簡単に是正できる。まるで演奏している現場で聴いているかのように音楽が、目前で立体的に展開される。

興味があればまずは簡単なサウンドチューニングに挑戦し、音が変わる楽しさをぜひ体感してほしい。そしてさらには高性能なサウンドチューニング機能が搭載された機器の導入も検討しよう。それが成されれば、カースピーカーから聴こえてくるサウンドクオリティの一層のビルドアップが可能となる。サウンドチューニング機能を駆使することで、車内のリスニング環境をガラリと変えられる。覚えておくベシ♪

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

「簡単サウンドチューニング」を実行し、“良い音”で日々のドライブを楽しもう♪

《太田祥三》

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