アウディ RS3セダン 新型、ドリフトできる「RSトルクスプリッター」初採用…欧州発表

ドリフト専用の「RSトルクリア」モード

2種類の「RSスポーツサスペンション」

専用のボディカラーやスポーティなインテリア

「RSモードボタン」を配置した新ステアリングホイール

アウディ RS3 セダン 新型
アウディ RS3 セダン 新型全 22 枚

アウディは7月19日、新型『RS3セダン』(Audi RS 3 Sedan)を欧州で発表した。同車は、新型『A3セダン』をベースに、アウディスポーツが開発した高性能モデルだ。

ドリフト専用の「RSトルクリア」モード

アウディ RS3 セダン 新型アウディ RS3 セダン 新型

「RSトルクスプリッター」が標準装備される。これは、リアのアクスルディファレンシャルや従来のリアアクスルマルチプレートクラッチに代わるものだ。新型では、電子制御式のマルチプレートクラッチが左右のドライブシャフトに駆動力を配分する。これにより、左右のリアアクスルにトルクが理想的に配分されるという。

スポーティな走行時に、RSトルクスプリッターは、より大きな負荷がかかる外側リアホイールの駆動トルクを増加させ、アンダーステアの傾向を軽減する。左コーナーでは、右リアに駆動トルクを配分し、右コーナーでは、左リアに配分する。直進時には、左右のホイールに均等にトルクを配分する。

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この新しいテクノロジーにより、サーキットでは車両を完全にコントロールした状態で、ドリフト走行することが可能になるという。この場合、RSトルクスプリッターは、すべてのパワーを左右いずれかの後輪のみに伝達する。各ホイールには、最大で1750Nmのトルク伝達が可能だ。

ドリフト専用の「RSトルクリア」モードを採用。RSトルクスプリッターのトルク配分曲線が、専用のセットアップに切り替わる。オプションで、サーキット専用の「RSパフォーマンス」モードが装備できる。このモードでは、初の工場オプションのセミスリックタイヤに合わせて、エンジンとトランスミッションの設定が調整される。この場合、RSトルクスプリッターは、アンダーステアとオーバーステアを可能な限り抑え込み、非常にダイナミックでスポーティな走りを実現する、と自負する。

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これらのモードは、「アウディドライブセレクト」ドライビングダイナミクスシステムで切り替えられる。アウディドライブセレクトには、コンフォート、オート、ダイナミック、RSインディビジュアル、エフィシェンシーの各モードが設定されている。

2種類の「RSスポーツサスペンション」

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標準装備される「RSスポーツサスペンション」には、専用に新開発されたショックアブソーバーとバルブシステムが装着されている。このバルブシステムにより、ショックアブソーバーは、伸び側と縮み側ともに敏感なレスポンスを示すという。

アダプティブダンパーコントロール付き「RSスポーツサスペンションプラス」も用意された。このシステムは、道路状況、運転状況、アウディドライブセレクトで選択されたモードに合わせて、各ショックアブソーバーを連続的かつ個別に調整する。ショックアブソーバーの特性は、快適性、バランス、スポーツ性を重視した3つのモードが用意されている。

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ホイールキャンバー角を大きくし、さらに正確なステアリングレスポンスとコーナリングフォースの増加を追求する。ベース車両の新型A3セダンに対して、新型RS3セダンの前輪には、約1度大きなネガティブキャンバーが設定されている。これを実現するために、ピボットベアリングが変更され、ロワーウィッシュボーンベアリングの剛性を上げて、ジオメトリー変更に対応した。フロントアクスルには、サブフレームやスタビライザーも装着される。リアアクスルは、別体式のスプリング/ダンパー、サブフレーム、チューブラースタビライザーバーを備えた4リンクデザイン。ベース車両よりも剛性の高いホイールキャリアは、RSトルクスプリッターによって発生する横方向の力の増加を吸収するという。

リアホイールのネガティブキャンバーは、ベース車両比で約0.5度増加した。RS専用プログレッシブステアリングは、操舵角に応じてギアレシオを変化させる。操舵角が大きくなると、ギアレシオが小さくなり、ステアリングがいっそうダイレクトに。また、速度に応じたパワーアシストを可能にし、アウディドライブセレクトを介して設定を変更することができる。スプリングとショックアブソーバーは、硬めに設定。車高は、新型『S3セダン』比で10mm、新型A3セダン比で25mm低い。

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サウンドの特性は、アウディドライブセレクトで調整できる。たとえば、ダイナミックモードとRSパフォーマンスモードでは、フラップがより早い段階で開き、エモーショナルなサウンドを奏でる。オプションのRSスポーツエキゾーストシステムを装着すると、5気筒エンジンのサウンドがさらに強化されるという。

専用のボディカラーやスポーティなインテリア

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キャラミグリーンとケモラグレーの2つの専用色が設定された。新型では初めて、ルーフをコントラストカラーのブリリアントブラックで仕上げることもできる。シングルフレームのハニカムグリルなどのエクステリアパーツは、マットブラックまたはハイグロスブラック仕上げが標準だ。オプションの「Alu-Optic Trim」パッケージを装備すると、フロントバンパー、ディフューザーインサート、ウィンドートリムにアクセントが追加される。スポーティなスタイルを強調するには、カーボンファイバー強化ポリマーによるサイドイシルインレイが用意される。同じ仕上げを、ドアミラーカバーとテールゲートスポイラーに施すことができる。

カーボンファイバー製インストルメントパネルやRSエンボス加工が施されたRSスポーツシート、アンスラサイトのコントラストステッチも、レーシングカー的な雰囲気作りに貢献する。シート地には、RSハニカムステッチとコントラストステッチが施されたファインナッパレザーを用意した。

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ステッチカラーは、光沢ブラックとレッドに加えて、今回初めてグリーンが設定された。RSデザインパッケージにもレッドとグリーンを設定し、組み合わせて利用することができる。このパッケージには、コントラストステッチとRS刺繍が施された専用フロアマットとカラーエッジ付きシートベルトが含まれる。「デザインパッケージプラス」を選択すると、シートバックコーナーの肩の部分に、レッドまたはグリーンの装飾が付き、エアベントにもアクセントカラーが配される。

「RSモードボタン」を配置した新ステアリングホイール

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ボトムフラットの3スポークRSスポーツマルチファンクションレザーステアリングが標準装備された。このステアリングには、ダイキャスト亜鉛パドルシフトが装着されている。デザインパッケージを選択すると、RSバッジに加えて、12時位置にストライプマーカーも施される。

ハンズオン検知機能(静電容量式タッチセンサー)を備えたRSステアリングホイールも選択できる。こちらは円形になる。どちらも、ステアリングホイールスポークの右側には、共通の新しい「RSモードボタン」が配置される。このボタンは、アウディドライブセレクトモードのRSパフォーマンスとRSインディビジュアルモードを選択する場合や、前回設定したモードを呼び出したい時に使用する。どちらのRSモードを選択しても、インストルメントディスプレイとヘッドアップディスプレイがスポーティな表示となり、点滅式シフトインジケーターも表示される。

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オプションで、新しい「RSランウェイ」デザインのタコメーターが設定された。このオプションが装着されている場合、滑走路を思わせる独特のスタイルで、通常とは反対方向に(最高値が手前、最低値が奥に)エンジン回転数が表示される。さらに、「アウディバーチャルコクピットプラス」には、加速度(G)、ラップタイム、0~100km/h加速、0~200km/h加速、1/4マイル(400m)加速、1/8マイル(200m)加速の表示も含まれている。

新型には、直噴2.5リットル直列5気筒ガソリンターボ「TFSI」エンジンが搭載される。最大出力は400ps/5600rpm、最大トルクは51kgm/2250~5600rpmだ。トランスミッションは7速デュアルクラッチ。動力性能は、0~100km/h加速3.8秒、最高速250km/h(リミッター作動)。オプションで最高速を280km/hに引き上げることも可能。さらに、「RSダイナミックパッケージ」とセラミックブレーキを装着すると、最高速は290km/hに到達する。

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《森脇稔》

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