新連載[プロショップでスピーカー交換]お得な“セットプラン”がある!?…タイプ別の利点

市販スピーカーの一例(DLS・M6.2)。
市販スピーカーの一例(DLS・M6.2)。全 3 枚

「スピーカー交換」に興味を持ちつつも、専門店には入りづらい…、そう思っている方々に向けて当特集を展開している。プロショップで行う「スピーカー交換」の流れからそこで実行することのメリットまでを、毎回テーマを絞って解説している。

「セットプラン」なら、必要予算が丸分かり!

今回は、カーオーディオ・プロショップでは「セットプラン」なるものを用意していることについて説明していく。これが何か、どのようなタイプがあるのか、そして活用する際のポイントまでを紹介していく。

さて「セットプラン」とはどのようなものなのかというと、簡単に言うと以下のとおりだ。「スピーカー代と取り付け工賃を含めた必要費用が込み込みになったもの」だ。

なお、専門店で「スピーカー交換」を行う際には、ある程度の取り付け工賃はやむを得ず発生する。スピーカーはクルマに取り付けて初めてスピーカーとして体を成す。プロショップは、そこまでサポートしてくれるのだ。

というのもスピーカーは、ただ取り付けただけでは性能を十分に発揮できない。取り付け作業にはさまざまなコツやセオリーがあり、それを踏まえて実行することで、スピーカーとしての最終的な完成度が高まっていく。例えば、ドア内部はスピーカーとしては設計されていないので、音響的なコンディションが良くない。なのでその部分を整える必要性も生じる。つまり、スピーカーを取り付けるという作業は、“スピーカーボックスを作る作業”でもあるわけだ。取り付け工賃はいわば、スピーカーの製作代なのである。そしてさらには、取り付け用の部材も多少なりとも別途必要になる。

で、「セットプラン」では、そういったもろもろの費用がすべてワンパッケージされている。ゆえに、必要な予算があらかじめはっきり分かる。

なお“セットプラン”は、各店のHPを見れば顔ぶれを知れる場合がほとんどだ。スピーカー選びは最終的には試聴をして決めるべきものだが、とりあえず「セットプラン」については、自宅にいながらにしてある程度具体的に購入シミュレーションを行える。この点も大きなメリットと言って良い。

市販スピーカーの一例(ビーウィズ・Lucent Duo 165)。

「セットプラン」には“タイプ違い”がある!?

ところで、「セットプラン」にはタイプ違いが存在している。しかも、分類の仕方も2パターンある。どのようなタイプがあるのかと言うと…。

まず、「択一タイプ」と「選択タイプ」とがある。前者は製品ごとの個別プランで、後者は同一プラン内に複数の製品が用意されていてどれかを選ぶこととなる。

なので「択一タイプ」では、製品名が「セットプラン」名になっている場合が多い。つまり「A」という製品をこの込み込み価格で買えますよ、とされている。また、このようなタイプのセットプランを用意しているお店では、これを複数用意している場合が多い。そして各「セットプラン」の価格は、「スピーカー代+その他の費用」で設定されている。この「その他の費用」の金額は固定されていて、スピーカー代の違いでセット価格が変わってくる。

対して「選択タイプ」では、例えば、「8万円プラン」というように価格がプラン名となっている場合が多い。そしてプラン内に用意された製品のどれを選んでも支払い金額は変わらない。

なので「選択タイプ」の場合は、選ぶ製品によって割安感が変わってくる。基本的には大体同様な価格のモデルが選択肢として設定されてはいるものの、細かくみると数千円という幅でお得なモデルもあり得てくる。

なお「選択タイプ」では、選ぶ楽しみが深くなる場合も多い。「択一タイプ」を数多く用意している場合には選択肢が多くなるが、製品が厳選されていて選択肢が限られる場合もある。その場合と比べると、「選択タイプ」はあれこれ選べて面白い。しかもどれを選んでも支払い金額は変わらないので、好みに合うかどうかの吟味に集中できる。

市販スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-V173S)。

より良い製品を手にするか、完成度にこだわるか…。

そしてもう1つ、「製品重視タイプ」か「コンプリートタイプ」かというタイプ違いも存在している。

まず前者では、セット価格の多くが製品代となっている。先述したように、スピーカー交換においては「スピーカーボックスを作る」という作業も必要になるのだが、とりあえずそういった付随作業の多くを後回しにする前提でセット価格が組まれる場合もあるのだ。そうすると、予算の多くを製品代に割ける。結果、より良いものを手にしやすくなる。つまり、「所有感重視型」というわけだ。

対して「コンプリートタイプ」では、購入するスピーカーの性能をできる限り引き出すことが目指される。なので「スピーカーボックスを作る」ためのメニューもひととおり含まれることとなる。ゆえにセット価格の中で製品代が占める割合は低くなる。例えば、セット価格の半分くらいが製品代で残りの半分くらいが付随作業+部材代、というような内訳となることが多い。

結果「コンプリートタイプ」は、後からの費用がかかりにくい。やっておべき作業は概ね完了できるので、後から手を加えるべき要素をかなり減らせる。もちろん、そこからさらなる音質向上を目指そうとすればできることは多々あるが、完成度はすでにある程度高められている。

一方「製品重視タイプ」では、当初の状態ではまだスピーカーの性能を十分に引き出し切れていないので、いつかはなんらかの追加作業を行いたい。そうしないともったいない、とも言える。なお後から追加作業を行と、音が良くなる感動を再び味わえまた、その作業を行うことの効果のほどもはっきり分かる。この点はメリットだ。

というわけで、各タイプにはそれぞれ利点がある。その違いを知っておくと「セットプラン」選びもしやすくなるはずだ。大いに参考にしてほしい。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

「お得な“セットプラン”がある!?」 プロショップで実行する「スピーカー交換」、その手順とコツと利点を完全伝授! Part2

《太田祥三》

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