高音を上手に操る…イコライザー[サウンドチューニング]

「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。
「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 5 枚

カーオーディオでは、サウンド制御機能がさまざま活用される。そうすることで、音響的な不利要因に対処できたり好みの音に近づけられたりするからだ。当連載では、その扱い方を詳細に解説している。今回は、「イコライザー」で高音の聴こえ方を変える方法を紹介していく。

早速本題に入ろう。まずは「中高域」と定義付けされることの多い、2kHzあたりから4kHzあたりまでの音域においての「イコライザー」の操作方法を説明していく。

ところで、この「kHz」とは「キロヘルツ」と読む。k(キロ)とは、単位の上に付けてその1000倍であることを表すものだ。なので2kHzとは2000Hzであり、4kHzとは4000Hzだ。

で、この「中高域」は人間の耳がもっとも敏感に感じる帯域だ。そして音楽においては、音の“輪郭”を形成する部分だとも言われている。また、音が出る瞬間の打撃音(アタック音)も大体この帯域にある。なので、該当する「イコライザー」のバンドのツマミを上げる方向で操作すると、輪郭がしっかりと表現されたり、リズム楽器のキレ味が良くなったりする。しかし上げ過ぎると耳について不快に感じられることもあるので注意が必要だ。

なお、もう少し下の1kHzあたりからもう少し上の5kHzくらいまでの帯域にあるバンドは、上げる方向で操作すると派手さや鋭さが出て、カットする方向で操作すると、柔らかな音になり、または聴き疲れもしにくくなる。

次いで、その上の5kHzから10kHzあたりまでのいわゆる「高域」と呼ばれる帯域は、サウンドの“輝き”に影響が出る帯域だと言われることが多い。また、ノイズ成分が含まれる帯域でもある。例えば、ギターの弦の上を指が滑る音や、ボーカルのブレス音もこの帯域に集中する。なので、この帯域の中にある「イコライザー」のバンドのツマミを下げると、これらの音が耳に付きにくくなり、さらにはボーカルのサ行の子音も抑制できる。

そしてそれよりもさらに上の10kHzから20kHzまでの「超高域」の音は、空気感や余韻に影響が出る帯域だ。特に16kHz以上の帯域には楽器そのものの音である「基音」の成分はなく「倍音」しか存在しなくなる。で、このあたりのバンドのツマミを上げると、広がり感が増すことがある。

また5kHzあたりから20kHzまでは総じて、ブーストすると冷たい音になったり繊細な音になったりする。逆に下げると甘い音になりやすい。

今回は以上だ。次回も「イコライザー」の操作方法に関する解説を続行する。お楽しみに。

高音を上手に操って華やかさや繊細さをプラス!「サウンドチューニング」実践講座 Part2 イコライザー編 その11

《太田祥三》

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