孤立した支線:西武・多摩川線---深夜の回送、甲種輸送を見る[動画]

西武・多摩川線
西武・多摩川線全 4 枚

西武鉄道多摩川線は2022年6月20日で全線開通100周年を迎えた。西武鉄道ではいろいろな企画を用意しており、そのひとつが多摩川線での車両回送の模様を収めた動画だ。線内に車両検修場がないため、検査する車両のJRを介して輸送しているのだ。

[画像:多摩川線全線開通100周年記念乗車券]

多摩川線は、多摩鉄道の路線として1917年10月22日に境(現:武蔵境)~北多磨(現:白糸台)間が開業した。その後、1919年6月1日に北多磨(現:白糸台)~常久(現:競艇場前)間、1922年6月20日に常久(現:競艇場前)~是政間が開通し、現在の全線8.0kmの路線になった。西武鉄道が12路線、総旅客営業キロ176.6kmで旅客輸送を行なっている中で、他の西武線と接続していない路線が1路線だけあり、それが多摩川線だ。

鉄道車両は一定の走行距離または時間ごとに検査・補修の必要がある。多摩川線は、白糸台駅に車両基地が併設されており、日常の検査や修理はここで行なう。しかし、大がかりな検査や改造は、池袋線の東飯能~高麗間にある武蔵丘車両検修場で実施する。そのため、JR線の線路を経由して車両を運ぶ必要が発生する。

西武線の車両は、JR線内では自走せず、武蔵境からは機関車にけん引され、JR線の新秋津と西武池袋線の秋津駅間にある連絡線を経由して西武線内に運ばれる。機関車でけん引して車両を回送(=輸送)することを甲種輸送と呼ぶ。

多摩川線の車両は甲種輸送の前に、白糸台車両基地で1日かけて必要な準備をする。深夜に車両基地を出発、終電車発車後の武蔵境で、JR線経由で運ばれてきた検査済み車両と交換する形で機関車を連結し、武蔵丘車両検修場に向けてJR線を走り出す。

多摩川線全線開通100周年を記念して西武鉄道では、年に4~5回しか行なわれない甲種輸送を紹介する動画を作成し、同社のYouTubeチャンネルにアップした。白糸台車両基地内での準備から、武蔵境で交換した検査済み車両の基地内到着までを見ることができる。


《高木啓》

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