低音を自在にコントロール…サブウーファー[サウンドユニット セッティング法]

「位相反転型」の「サブウーファーボックス」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオスタジアム<大阪府>)。
「位相反転型」の「サブウーファーボックス」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオスタジアム<大阪府>)。全 3 枚

カーオーディオユニットの取り付けは簡単ではない。細かなセオリーや注意すべきポイントが多々ある。当連載ではその1つ1つを解説しながら、カーオーディオだからこその面白さを紐解こうと試みている。今回は「バスレフボックス」について説明していく。

前回までの記事の中で解説してきたとおり、「単体サブウーファー(サブウーファーユニットがそれのみで売られているもの)」を使う場合には、「サブウーファーボックス」を自前で用意しなくてはならない。ちなみに、完成された状態の既製ボックスが使われることもある。しかしワンオフされることの方が多い。なぜなら、ワンオフすれば好みのサウンドを奏でられるボックスを手にしやすくなるからだ。

なお、カーオーディオにて使われることが多いのは「シールドボックス」と「バスレフボックス」、このいずれかだ。で、前回は「シールドボックス」の特徴を説明したので、今回は「バスレフボックス」について考察していく。

まず、「バスレフボックス」は日本語では「位相反転型」と言い換えられる。「位相」とはこれまでも何度か説明してきたとおり、「音波のタイミング」だ。音は、プールに石を投げ入れたときにできる波紋のように空気中を上下運動を繰り返しながら進んで行く。で、スピーカーは裏側からも音を発するのだが、その音は表側の音に対して「音波のタイミング」が真逆の状態になっている。表側の音が「0度」のところを起点として発せられたとき、その瞬間の裏側の音は「180度」のところが起点となるのだ。

そしてこのような真逆の関係にある音(逆相の音)同士が同一空間で交わると、お互いを打ち消し合う現象(キャンセリング)が引き起こされる。スピーカーボックスはそれを防ぐためにある。裏側の音をボックス内に閉じ込めて打ち消し合いを起こらなくする。

で「バスレフボックス」は、スピーカーユニットの裏側から放たれる音を表側に放出する仕組みを持っている。でもそのまま放出すると「打ち消し合い」が起こるので、「位相」を反転してから表側に出す。ゆえに「位相反転型」と呼ばれているのだ。

さて、このような仕組みを有する理由は何かというと…。

答はズバリ、「低音をコントロールするため」だ。「シールドボックス(密閉型)」もボックスの大きさを調整することで鳴り方を変えられるが、「バスレフボックス」では音を変えられる幅がさらに広がる。「シールドボックス」にはない仕組みを有するので、手を加えられる範囲が広がるのだ。

さて、「バスレフボックス」ではどのようなサウンドを作れるのかは、次回の記事にて解説する。乞うご期待。

《太田祥三》

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