先端物流ソリューションの複合ショールーム…DXデポ

オープンイノベーションで物流DX:DXデポ
オープンイノベーションで物流DX:DXデポ全 23 枚

数年前から首都圏では外環道や圏央道の周辺に大規模な物流倉庫が増えている。EC需要の高まりから全国的に倉庫需要が増えたからだ。しかし、物流業界は、トラックドライバー不足や2024年問題、さらには物流全体のでゼロエミッションやカーボンニュートラルも叫ばれている。

[写真:UPR代表取締役 社長執行役員 酒田義矢氏]

自動車業界も、安全運転支援機能や自動運転、隊列走行、遠隔操作、電動化といった最新技術をバス・トラックにも投入しているが、物流の問題は車両側の技術だけでは解決しない。ロジスティックスの効率化、自動化が急務とされている。復路の空荷をなくす。倉庫周辺の滞留や時間調整。ドライバーの健康管理。車両のリアルタイム監視。車両ビッグデータの活用。工場ラインオフから消費者のドアまでのサプライチェーン全体にイノベーションが求められている。

ユーピーアール(UPR)は、サプライチェーン全体にかかわる先端技術やソリューションを集めた「DXデポ」をオープンした。場所は「GLP ALFALINK相模原」(圏央道「相模原愛川」ICより約4.3km)の建屋5階。UPRの呼びかけで佐川グローバルロジスティクス、シーオス、豊田自動織機、長野日本無線、日本GLP、プラスオートメーション、モノフルの計7社が趣旨に賛同し、DXデポに集まった。各社は自社のDXサービスやソリューションをもちより、研究開発や実験を行いながら、荷主・運送会社・ドライバーにDX提案を行う。

デポは同倉庫5階の一部を区切って設定される。生産工場ゾーン、物流センター・倉庫ゾーン、輸送ゾーンの3つに分割され、それぞれの現場ごとのソリューションのデモや体験が可能だ。オープン時に集まったDXソリューションは、開発中のものも含めて21種。主だったものを紹介する。

生産工場ゾーン
パレット・かご車、荷物をバーコードとパレットに内蔵されたRFIDで紐づけするソリューション
スマホカメラでバーコードを読み取りパレットと荷物の検品ができるソリューション

物流センター・倉庫ゾーン
平置き、ラックともに荷物の在庫や位置などを統合管理できるロケーション管理システム
TOFカメラ(赤外線)による在庫カウントシステム
SLAM式キーカート(AGVによるかご台車の自動搬送)

輸送ゾーン
パレットファインダー(荷台の写真をスマホで撮影してパレットのカウント・識別)
マテハンファインダー(パレットと同様にマテハンのカウント・識別)

RFIDやバーコードでラインや荷物の管理をするソリューションは他にもあるが、DXデポのソリューションはパレットにもRFIDを内蔵させ、パレットごとに荷物の数や位置を管理できることが特徴となる。さらに内蔵されるRFIDタグはバッテリーを内蔵し、自ら信号を発信するアクティブRFIDだ。そのためRFIDのタグといいながらシールやチップではなく筐体をもつ小さい箱になる。ただしバッテリーは10年ほど無充電で使えるとのことで、パレットそのものの寿命前に電池切れになる心配は少ない。

回転すしのお皿や本に埋め込まれているRFIDはビーコンやセンサーが発する電波による起電力で返事を返すため電池はいらない。電池がなくても使えるタグとして開発されたので、本来のこの動作が標準的なのだが、自身が信号を送信することで制御、応用の幅が広がる。

UPRでは、パレットの紛失対策でRFIDを内蔵するアイデアがあった。これをアクティブRFIDとして組み込んだことで、パレットに載っている荷物やどこに仕分けされたのか、移動経路のトラッキングなど、高度な制御が可能になった。

DXデポは「オープンイノベーション」なので、趣旨に賛同してくれるパートナー、ソリューションをもっと増やしていくそうだ(UPR代表取締役 社長執行役員 酒田義矢氏)。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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