フィスカー、『オーシャン』を増産へ…2023年は3万6000台の生産めざす

欧米以外の世界市場でもオーシャンの納車を開始

ツインモーターは最大出力550hp

1回の充電での航続は最大707km

リサイクル素材を内装に多く使用

フィスカー・オーシャン を組み立てるマグナの工場
フィスカー・オーシャン を組み立てるマグナの工場全 10 枚

フィスカーは5月15日、新型電動SUV『オーシャン』(Fisker Ocean)の需要に対応するため、増産を行うと発表した。

◆欧米以外の世界市場でもオーシャンの納車を開始

フィスカーは5月中にオーシャンの生産を段階的に拡大し、順調にいけば6月末までに1400~1700台のオーシャンを組み立てる予定だ。欧米以外の世界市場でもオーシャンの納車を開始するために、2023年は年間3万2000~3万6000台の生産を目指す。2023年第3四半期(7~9月)、さらに生産を拡大する計画だ。

現在フィスカーは、サプライチェーンと協力し、高い品質を維持しながら早期の納車ができることを目指して、徐々に生産の増強に取り組んでいる。5月中に生産されるオーシャンは、発売記念モデルの「ワン」グレードだ。最初の米国向けユニットは、6月に現地に到着し始めるという。

フィスカーは、オーシャンの世界市場での発売を加速させる。6月から欧州と米国市場において、顧客への納車開始を計画している。これに向けての増産になる。

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆ツインモーターは最大出力550hp

オーシャンはフィスカー初の電動SUVだ。オーシャンには、新開発のプラットフォームとして、マグナが手がけた「FM29」プラットフォームを採用する。また、オーシャンは、欧州のマグナの工場に生産を委託する。マグナでは現在、グローバルブランドに代わって、複数の車両を受託生産している。

オーシャンのワンのEVパワートレインは、ツインモーターのAWDだ。ワンは、モーターの最大出力が550hpとなり、0~96km/h加速を3.6秒で駆け抜ける。

オーシャンのワンには、「オフロードモード」が採用される。パフォーマンスと安全性を強化するために、「スマートトラクション」と呼ばれるトルクベクタリングシステムも用意されている。

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆1回の充電での航続は最大707km

オーシャンの欧州仕様車には、20インチホイールとタイヤを標準装備する。この場合の航続は、最大707km(WLTPサイクル)。オプションの 22インチホイールとタイヤを装着した場合でも、航続は700kmを超えることから、オーシャンが、現在ヨーロッパで販売されているフルEVのSUV の中で、最長の航続になるという。

新開発のセンタースクリーンとUI(ユーザーインターフェイス)を採用する。ダッシュボードの中央には、17.1インチの高解像度「Revolve4」ディスプレイを配置した。通常走行時には「ポートレートコントロールモード」表示となり、停止時には「ランドスケープハリウッドモード」表示に変更できる。

このランドスケープハリウッドモードは、プレミアムオーディオのオプションと組み合わせて、前席と後席の乗員に没入型の視聴体験をもたらすという。オーシャンは、無線アップデートによって、その機能を向上させることが可能という。

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆リサイクル素材を内装に多く使用

インテリアには、カーペットにリサイクル素材を活用した。このカーペットには、廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用している。また、インテリアの素材には、100%ポリカーボネートポリウレタンと100%強化レーヨンバッキングを採用した。さまざまなVOC(ホルムアルデヒドなど)の厳しい化学物質排出規制に適合している。

また、エコスエードも使用された。Tシャツなどのポリエステル繊維、ペットボトル、プラスチックなどをリサイクルした素材も用いられている。ポリエステルのリサイクルでは、従来のガソリンベースのポリエステル製造プロセスと比較して、エネルギー消費と大気へのCO2排出を80%削減することができるという。エコサステナビリティとして、汚染物質の排出とエネルギー消費のレベルは、オーシャンの生産サイクル全体を通じて保証されている。

オーシャンでは、ゴム廃棄物も再利用する。フィスカーは、タイヤの製造中に発生した廃棄ゴムを、埋め立てせずに利用する。リサイクルすることでエネルギーの量を大幅に節約でき、最終的に温室効果ガスの排出を削減できる、としている。

《森脇稔》

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