米国のEV税額控除が自動車政策の新時代を告げる…日本のOEMが考慮すべき点は

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EV(電気自動車)の経済的・政治的重要性の高まりを重視し、各国政府はEVの製造や原材料の取引を規制する動きを見せている。

主要国におけるEVの経済的・政治的重要性の高まりを示す最も明白な兆候として、米国政府は、バッテリーおよび鉱物について特定の地域や内容の調達要件を満たすEVの優遇制度を導入した。2023年4月18日発効のインフレ抑制法を受けて米国財務省が4月に発表したガイダンスに基づき、特定の鉱物調達とバッテリーパックの内容の要件を満たすEVのみが税額控除の対象となる。

クリーンビークル税額控除とは

クリーンビークル税額控除(Clean Vehicle Tax Credit)は、新しいEV購入に対して最大7500ドルまでEV購入者の税金を軽減する非還付の税額控除であり、価格上限(SUV、バン、ピックアップは8万ドル、その他の車両は5万5000ドル)および最終組み立てが北米(米国、カナダ、メキシコ)で行われることが条件となる。

7500ドルの税額控除のうち、半分の3750ドルは鉱物調達の要件を満たすことで得られ、残りの半分はバッテリーパックの内容要件を満たすことで得られる。

3750ドルの鉱物調達税額控除を受けるには、EVの主要鉱物の価格の40%を米国または米国と自由貿易協定を結ぶ国から調達する必要がある。主要鉱物には、リチウム、コバルト、ニッケル、マンガン、グラファイトが含まれる。この要件比率の40%は、2024年には50%、2025年には60%、2026年には70%、2027年には80%へと引き上げられる予定である。

バッテリーパックの内容要件については、EVバッテリー部品の50%を米国、カナダ、メキシコのいずれかで組み立てることが要求される。鉱物調達の要件と同様に、バッテリーパックの内容要件比率は、2024~2025年には60%、2026年には70%、2027年には80%、2028年には90%、そして2029年には100%へ引き上げられる予定だ。

現在、最大7500ドルの税額控除の対象となるのは、キャデラックの『リリック』、シボレーの4モデル(『ブレイザー』『ボルト』『エクイノックス』『シルバラード』のEV)、クライスラーの『パシフィカ』(プラグインハイブリッド)、リンカーンの『アビエーター』(プラグインハイブリッド)、フォードの『F-150 ライトニング』、テスラの2モデル(『モデル3 パフォーマンス』と『モデルY』)の10モデルのみである。

日本のOEMが考慮すべき点

日本自動車工業会の統計によると、米国は日本の自動車輸出の最大市場である。 2021年には日本から輸出される自動車の35%、約130万台が米国に輸出された。米国への自動車輸出は2012年以降ほぼ同じ水準で推移しているが、 EV税額控除は、この政策に関連する動きを日本の自動車メーカーが注視しなければ、輸出が大幅に減少するリスクをはらんでいる。


《フロスト・アンド・サリバン・ジャパン株式会社》

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