ポルシェが海でも電動化、スポーツボート共同開発…『マカン』次期型EVの技術搭載

フラウシャー×ポルシェ850ファントムエア
フラウシャー×ポルシェ850ファントムエア全 12 枚

ポルシェは10月9日、フラウシャー社と共同開発した電動スポーツボート『フラウシャー×ポルシェ850ファントムエア』を欧州で発表した。25隻限定の「ファーストエディション」の受注を開始し、ベース価格は56万1700ユーロ(約8865万円)だ。

【画像全12枚】

◆マカン次期型のEV向けモーターとバッテリーを搭載

フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアには、ポルシェが現在開発を進めている次期『マカン』のEVのベースとなる「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」のコンポーネントを使用している。これには、永久磁石シンクロナスモーター(PSM)が含まれており、フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアに積まれるモーターは、最大出力544hpを引き出す。

モーターはボートの後部に搭載され、制御装置はポルシェのロゴが刻印された防水ボックスに収められている。同じく次期マカンのEVから流用された総容量100kWhのリチウムイオンバッテリーは、リアのラウンジエリアの下にレイアウトされている。支持フレームのサスペンションには、ポルシェが手がけたワイヤーロープマウントを採用した。これは、高速巡航中や波が荒い場合に発生する衝撃の吸収に優れているという。

ポルシェの市販車と同様に、あらかじめプログラムされた航行モードを利用して、状況に応じて適切な駆動特性を選択することができる。フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアには、ドッキング、レンジ、スポーツ、スポーツプラスの設定がある。これらのモードは、スロットルレスポンスの特性を変化させると同時に、異なる制限速度が特長だ。例えば、港湾航行用のドッキングモードでは、速度は8ノット(およそ15km/h)に制限される。

◆最高速85km/hで航続は100km以上

最適な巡航速度はおよそ41km/hだ。この速度では、バッテリーのフル充電状態で約1時間、約45kmの航続を可能にする。最高速85km/hはスポーツプラスモードで到達する。この時、100km以上の航続が可能だ。低速航行と高速航行を織り交ぜたクルージングでは、条件にもよるが、2~3時間の航続を可能にしている。フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアは、最高速、加速、ハンドリングなど、すべての航行特性において、内燃エンジン搭載ボートよりも優れている、と自負する。

ポルシェの800ボルト技術により、フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアは250kW以上の出力で直流急速充電できる。理想的な条件下では、バッテリー容量の10%から80%まで、30分以内で充電することができる。家庭用コンセントや高圧コンセントでのAC充電も可能で、多くの港のインフラが利用できる。11kWのAC充電器を標準装備しており、充電ポートは左ベンチの前側にある。

◆スタジオF.A.ポルシェがデザインを担当

フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアは、スタジオF.A.ポルシェがデザインを担当した。ハイグロスブラックのインストルメントパネルは、フレームレスのアクリルガラスウィンドスクリーンの後ろに配置されている。サイドエンドはウィングレットとしてデザインされており、『911』へのオマージュであると同時に、実用的なグラブハンドルの機能も担う。インストルメントパネル上側の5つのアナログメーターは、スポーツカーらしさを表現したもので、重要なデータを表示する。ステアリングホイールは、ポルシェらしいデザイン。人工皮革で覆われたリムは、海水への耐性を高めている。クラシックなポルシェの流儀で、スタートボタンはステアリングホイールの左側に配置。2つのフロントシートは、スタジオF.A.ポルシェによってデザインされた。背もたれが高く、ヘッドレストが一体化され、クレストが刺繍されたシートは、ポルシェの市販車のスポーツシートにインスパイアされたものだ。

フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアは、『フラウシャー858ファントムエア・デイクルーザー』をベースにしている。全長は8.67m、全幅は2.49mで最大9名が乗船できる。リアには、2つの日光浴パッドを備えており、これがラウンジエリアにつながっている。中央の通路が、ボートの後端とコックピットをつなぐ。フロントエンドには、2つの布張りのベンチシートが設けられる。シートは耐久性のある人工皮革で覆われた。カラーバリエーションをはじめ、豊富なカスタマイズが用意されている。

フラウシャー×ポルシェ850ファントムエアは2024年1月、ドイツ・デュッセルドルフで開催される見本市でワールドプレミアされる予定。2024年から顧客に引き渡される見通し、としている。

《森脇稔》

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