トヨタが描く3つのモビリティコンセプト…ジャパンモビリティショー2023

トヨタ自動車のプレスカンファレンス(ジャパンモビリティショー2023)
トヨタ自動車のプレスカンファレンス(ジャパンモビリティショー2023)全 16 枚

ジャパンモビリティショー2023会場で10月25日、トヨタ自動車はプレスカンファレンスを開催した。登壇した佐藤社長はコンセプトカーとともに3つのモビリティの未来を語った。

ひとつは「BEVと暮らす未来」という提案。BEVの低重心を活かした動力性能に加え、広いキャビンやデザインの自由度を活かした多様な用途やニーズに応える車だ。単にBEVを作るだけでは不十分で「特性を生かすにはクルマ屋のパッケージング技術が大事」とした。ICE共用プラットフォームでは、後席や荷室に難点がでがちなEVにおいて、トヨタのパッケージングで幅広い車種のラインナップが期待できる言葉だ。

またBEVはソフトウェアの力によって付加価値が高まる。佐藤社長は「SDVがBEVの価値を高める」として、OTAによる機能アップデートやドライバーごとのチューニングの可能性を語った。OTAやSDVについて言及するのは初めてではないが、SDVの根幹となるのは「アリーンOSであり、エンターテインメントを含むさまざまなアプリだ」とも発言した。アリーン(ビークルOS)をもとにした、車両デバイスとクラウドサービスの連携によるモビリティの未来の提案となる。

これらの技術を実装するのが、トヨタがいう「第3世代」のBEVとなる。佐藤社長のプレゼンで中央に2台展示されていたのは、そのコンセプトモデルだ。向かって右側がトヨタブランドで市販が想定されるモデル。左はGRブランドのBEVだという。第3世代はトヨタが6月に発表した技術、ギガキャストや新しい製造ライン(自走式)、薄型のリチウムイオンバッテリーなどが搭載される予定。また、「クルマ屋のパッケージ」としては、アクスルややヒートポンプなど主要コンポーネントの小型化、効率化によって用途に応じた居住性、ユーティリティを確保するという。

続いてのテーマは「IMV 0が作る未来」だ。電動ピックアップトラックである「EPU」をベースにしたと思われる車両とともに小型商用車の提案だ。荷台部分が換装可能になっており、例えば農家が作物を集荷したら移動販売車として利用するといった具合だ。このコンセプトはインドネシアモーターショーで発表したものだ。

3つめは「人と社会をつなぐモビリティ」として「KAYOIBAKO」を紹介した。車両はコンパクトサイズの商用バンのEVだ。通箱(通函)は物流に関する業界用語で、部品や商品の拠点間の輸送に使うコンテナボックスのことだ。自動車そのものを通箱のように利用するという意味が込められている。ラストマイルや近距離のルート配送を想定しているが、自動運転が実装されれば文字通り通箱のような使い方になるかもしれない。「KAYOIBAKO」は商用車だけを意識したものではない。プレゼンテーションでは、コンパクトミニバンのようにレジャーやアウトドアでの利用例示していた。

ジャパンモビリティショーは、従来の東京モーターショーにモビリティの枠を超えて他産業やスタートアップなども加わり、装いを新たに開催するもの。会期は10月25日から(一般公開は28日から)11月5日まで、主催は日本自動車工業会。


ジャパンモビリティショー2023 特別編集
https://response.jp/special/recent/4115

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  2. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
ランキングをもっと見る