ダイハツの売れ筋、『タント』が“全治3か月”で出荷停止解除[新聞ウォッチ]

ダイハツ・タント
ダイハツ・タント全 2 枚

交通事故などで負傷した場合、「全治3か月」と診断されると比較的重い怪我であると考えられるが、自動車の認証試験の不正問題で傷を負った売れ筋の車種が全治3か月で“社会復帰”した場合のダメージとはいかがなものだろうか。

ダイハツ工業の認証試験の不正問題で、国土交通省が、軽乗用車の主力車種『タント』とSUBARU(スバル)にOEM(相手先ブランドによる生産)で供給している『シフォン』の2車種について、出荷停止の指示を解除したという。

◆安全性を満たしていると判断

国交省が発表したもので、きょうの読売や日経なども「ダイハツ『タント』出荷停止解除」などと取り上げている。それによると、独自検証で安全性などを満たしていると判断。ダイハツは仕入れ先や販売会社の準備ができ次第、生産や出荷を再開するそうだ。

ダイハツのタントとシフォンは滋賀県竜王町の滋賀工場で生産していたが、23年12月に国内販売の多くの車種でも不正が発覚したなどと公表したのに伴い、生産と出荷を停止せざるを得なかった。

◆タントの2月の販売台数は前年同月比84.6%マイナス

タントはダイハツの稼ぎ頭で2023年の販売台数は15万9392台。昨年の国内新車販売台数の総合ランキングではホンダの軽自動車『N-BOX』などに次ぐ3位の売れ筋だったが、生産と出荷を停止した影響で今年に入って販売台数は大幅に落ち込んで、在庫が底をついた2月は前年同月比84.6%減と激減したという。

国交省はダイハツが国内で販売していた27車種について、安全性などが基準を満たしているかどうかを検証中。このうち20車種が基準に適合していることを確認しており、残りの7車種も検証結果を順次公表し、基準を満たしていれば出荷停止の指示を解除するという。

滋賀工場では来週3月18日から、小型車『ロッキー』などの生産を再開する予定とも伝えられているが、今回の不正で大きな問題となった「上にモノを言えない」社内風土の改革などは、親会社のトヨタ自動車から新経営陣が送り込まれても“全治3か月”程度では癒されず、長年にわたり不正にまみれた企業体質を変えるのは一朝一夕にはいかないだろう。

2024年3月12日付

●タント出荷停止解除、ダイハツ不正(読売・11面)

●東証、一時1100円超下落、半導体株に過熱感、円高も(朝日・3面)

●中国新車販売11%増402万台、1~2月、前年同期比(毎日・7面)

●東日本大震災13年、思い続ける。これからも、避難なお2.9万人以上(産経・1面)

●経団連次期会長は混沌、新副会長豊田氏は見送り、女性なし(産経・5面)

●利益トップ企業、半数交代、32業種集計、値上げ・改革効果、味の素・ソニーG首位、今期、5年前比(日経・1面)

●ANA、ベア満額回答、1.1万円、33年ぶり水準(日経・15面)

《福田俊之》

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