ホンダ・日産統合破談を正式発表、子会社化に『狂気の判断』の声も[新聞ウォッチ]

ホンダの三部社長(2024年12月)
ホンダの三部社長(2024年12月)全 2 枚

「正式発表」という活字以外は新しい事実がほとんど見当たらないにもかかわらず、きょうの各紙にも1面や総合面、経済面などにかなりの紙面を割いて大きく取り上げているのは、それほどにも注目度が高く、生き残りを賭けた波乱万丈の“再編劇”の顛末だったからなのだろうか。

ホンダと日産自動車が、経営統合に向けた協議を打ち切り、昨年12月に締結した基本合意書を撤回すると正式に発表したという。両社が、それぞれ開催した取締役会で決議したもので、実現すればトヨタ自動車、独フォルクスワーゲンに次ぐ世界3位の自動車グループが誕生していた国内大手の再編劇は開始からわずか1カ月半で幕切れとなってしまったのは、現時点では無念としか言いようがない。

改めて、きょうの各紙をみると、朝日と日経が1面トップで「ホンダ・日産統合破談」を報じているが、このうち、朝日のサブ見出しには「戦略見直し必至、協議開始から1カ月半」、総合面の関連記事には「破談 それぞれ茨の道へ、日産 赤字800億円見通し、ホンダ 四輪の稼ぐ力課題」。

また、日経は1面で「条件巡り溝、EV連携は継続」、そして関連記事の中には「ホンダ、浮上機会失う、続く二輪頼み、EV連携が鍵」としている。

さらに、読売は「大変革期に挑む覚悟足りない」などと、きょうの社説のテーマに取り上げたほか、国内2位と3位による「世紀の統合」が破談に終わったことで、協議の裏側と今後の展望を占う短期連載をスタートさせている。初日のタイトルは「子会社化『狂気の判断』」「不信の連鎖 日産決断、次の再編呼び水に」。

きょうの各紙の紙面の特徴は「自動車業界の変革が本格化する中、両社とも単独での生き残りは見通せない状況で、戦略の練り直しを迫られることになる」(読売)や「新たな経営の軸を一刻も早く見定める必要がある」(毎日)などと、破談に終わった経緯や生き残りへの模索について、識者の意見をベースに伝えている。

ただ、それぞれの識者が「ホンダ派」か「日産派」かによって論調が分かれている点も興味深いが、「独り負け」の日産にしても、二輪事業に縋るホンダにしても、生き残るためには、売れ筋の世界戦略の新車を開発して、それがヒットする人気車種とならなければ起死回生の一手にはならないだろう。

2025年2月14日付

●ホンダ・日産統合撤回、正式発表、EV協業は継続 (読売・1面 )

●ソニーを再生した「傍流」CEO、ウォークマンから鬼滅へ、4月退任の吉田氏(朝日・6面)

●EV普及へ 走行しながら給電、道路下に送電コイル、車載電池の小型化も (朝日・29面)

●日産800億円赤字見通し、ホンダ統合撤回 両社発表(産経・1面)

●EV無線給電普及へ業界一丸、再エネ有効活用/万博で実証実験 (産経・5面)

●中国自動車に統合報道、長安と東風、実現なら国内首位浮上 (産経・10面)

●ソニーG、今期最高益、1兆800億円、ゲーム・音楽けん引(日経・19面)

●住友ゴム、純利益4.6倍、今期、北米でタイヤ採算改善 (日経・23面)

●ガソリン店頭184.5円、2週連続下落、補助金減も卸値安で (日経・27面)

●日産系に公取委勧告へ、下請法違反、5社に金型無償保管 (日経・43面)

《福田俊之》

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