【BMW 120d 新型試乗】BMWのディーゼルが凄いことになっている!…中村孝仁

BMW 120d
BMW 120d全 33 枚

現行BMW『1シリーズ』は、コードネーム「F70」で呼ばれ、本国では2024年10月から販売が始まり、日本でも同時に発表、同11月から販売が開始された。

【画像】BMW 120d

発表当時はガソリンエンジン車のみで、2025年2月になって、今回試乗したディーゼルエンジン車の『120d』が追加投入されている。このディーゼル、コードネーム「B47」と呼ばれる2リットルの直列4気筒ターボディーゼルで、実は先代の「F40」の時代にも使われていたエンジンである。ただし、当時は『118d』と呼ばれていたモデルだが、現行F70となって120dに昇格しているが、内容的というかエンジンそのもののB47というコードネームに変更はない。

もっとも、今回は48VのMHEV仕様となり、最大トルクも10Nm増加している。それにシステム総出力は120kw(約161ps)なので、性能的には確実に先代の118dを上回っていると思われる。

BMW 120dBMW 120d

と、思われると書いたのは、実は先代の118dに試乗していないからだ。乗った記憶はあるのだが、原稿としてはまとめていないので、果たしてどんなだったかわからない。でも、B47のコードネームを持つエンジンを搭載したモデルなら乗った。2023年に、当時の『2シリーズグランクーペ』で試乗しているし、昨年も『320dツーリング』に乗った。いずれも車種が違うので、印象としては微妙にニュアンスが異なるから、直接比較は出来ない。

全く余談であるが、F70のガソリン仕様は「120」、もう一台は「M135 xDrive」と呼ばれる。ガソリンモデルは、従来末尾にiの文字が付いていたが、iは電気自動車系に付く呼称となったことで、120からはiの文字が消えている。

インテリアに関しては、すでにガソリン仕様の120で説明しているので省くとして、やはり注目はそのエンジンと走りである。B47に変わりがないことは前述した通り。そして48VのMHEVとなったことも解説済み。たったこれだけで果たしてここまで変わるのか?というのが今回の主要なテーマである。

◆見事なほどに遮音が効いている

BMW 120dBMW 120d

これまで6気筒のディーゼルのスムーズさや静粛性については、ことあるごとに話をしている。とりわけBMWではなくメルセデスの6気筒ディーゼルは、その点が顕著で、ライバルを圧している。一方で4気筒ディーゼルは、やはりそれなりの振動が出るし、音についても6気筒とは比較にならない、如何にもディーゼル的なノイズを奏でるものだ。

個人的に、これまでもっともすぐれた4気筒ディーゼルではないかと思っていたのは、マツダの『CX-5』に搭載されている2.2リットルディーゼルだった。少なくともノイズに関しては、最も低いと思う。それにスムーズさでも優れていると思うし、何よりもアドブルーを使わない、即ち尿素を吹くことなく、NOx排出基準をクリアしているクリーンなところが凄い。しかし、次期CX-5ではもしかすると、ディーゼルの設定がないという噂がある。真偽のほどは解らないが、勿体ない話である。

逆に外国勢、特にドイツのブランドは、積極的にニューモデルにもディーゼルを設定している。アウディしかり、VWしかり、そしてこのBMWしかりである。しかし、いずれの場合も新規に開発したものではない。B47の場合も、登場は2014年だからすでに10年以上が経過したエンジンである。

そんなわけだから、少なくともエンジンをかけて表に出てみると、如何にもディーゼルらしいカラカラというノイズを、比較的大きめに発している。ところが一旦室内に入ると、それがディーゼルのアイドリング音だとは、ほぼ誰も認識しないレベルに音が小さい。もちろんMHEVだから、アイドリング時にエンジンがかかっているケースは、どちらかといえばレアであるが、それにしても見事なほど遮音が効いている。MHEVはアイドリングストップしていても、発進とほぼ同時にエンジンがかかる仕組みで、無音で走り出すということはない。それでもノイズレベルはガソリン車のそれと同等といってよい。

◆BMWのディーゼルが凄いことになっている

BMW 120dBMW 120d

それよりも、そこからの滑らかな加速感は、一体どこをどういじったのか?と思うほどのスムーズさで加速する。どの程度電気がアシストしているかは不明だが、十分なパフォーマンスを感じられるレベルである。ガソリン車に対してディーゼル車が劣っているところは、瞬時のアクセル操作に対するパワーの出方に、一瞬の遅れがあること。それがガソリン車の方がスポーティーに思わせる大きな要因だが、このMHEVディーゼルは、そのアクセルのつきすらも、ガソリン車並みと評することができる。ほぼフルスロットル近くで加速していっても、そのノイズレベルは同様にガソリン車並みである。

もちろん、高速などで瞬時に前車を追い越したいような、パーシャルからの加速は文句なくガソリン車よりも上である。一体どうなっているのか、キツネにつままれた気分だったが、まあ文句の付けようがない4気筒ディーゼルに仕上がっている。

返却の時に、エンジンの変更があったのか訊ねてみても、取り立てて何かを変えたという情報はないという。それにしてもBMWがエンジン屋であることは先刻承知していたつもりだが、これは凄い!BMWのディーゼルが凄いことになっている。

BMW 120dBMW 120d

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)
AJAJ会員・自動車技術会会員・東京都医師会「高齢社会における運転技能および運転環境検討委員会」委員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来48年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。最近はテレビ東京の「開運なんでも鑑定団」という番組で自動車関係出品の鑑定士としても活躍中。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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