【日産 キックス 新型試乗】外も中も手抜かりは一切なし! 乗れば驚く走りの進化に「日産、変わったなあ」

【日産 キックス 新型試乗】外も中も手抜かりは一切なし! 乗れば驚く走りの進化に「日産、変わったなあ」
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【日産 キックス 新型試乗】外も中も手抜かりは一切なし! 乗れば驚く走りの進化に「日産、変わったなあ」【日産 キックス 新型試乗】外も中も手抜かりは一切なし! 乗れば驚く走りの進化に「日産、変わったなあ」

日産キックスG(FF)/キックスX e-4ORCE(4WD)【試乗記】

日産のコンパクトSUV「キックス」が、いよいよフルモデルチェンジ! デザインもパワートレインもプラットフォームも刷新された新型は、見ても乗っても長足の進化が感じられる力作となっていた。日産の再生を担う重要モデルの仕上がりを報告する。

日産の社運がかかっている

「日本で販売されている登録乗用車(つまり軽乗用車以外)の新車で、最も数が多いのがSUVであり、その半分以上を占めるのがコンパクトSUV」。そんなデータが、これから紹介する新型キックスの試乗会で紹介された。

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たしかに路上を走っていても、コンパクトSUVは多くなった感じがする。ハッチバックより背が高くて運転しやすく、荷物も積める一方で、ミニバンのような生活感は薄く、趣味をいろいろ持つ人のクルマに見えそうなところが、人気の源泉なのかもしれない。

なんにせよ、新型キックスは売れ筋ど真ん中のマーケットに向けた新型車ということになる。しかも日本だけでなく、北米や南米などでも売っている。日産再生に向けた重要なピースであり、それは試乗の前のプレゼンテーションでも触れられていた。

でも守りに入っていないことは、内容を見れば分かる。今回のモデルチェンジでは、日産独自のハイブリッドシステムである「e-POWER」が第3世代となり、プラットフォームは現行「ノート」と同様、「Vプラットフォーム」から「CMF-B」にチェンジ。4WDにはミドルクラス以上の技術だと思われていた「e-4ORCE」を搭載してきた。

これだけ盛りだくさんの内容を持ちながら、スタート価格が300万円を切ることを含めて、復活にかける日産の思いが至るところから伝わってくる。それだけに走りが気になっていた一台だった。

そのグレードをおさらいしておくと、価格が安い順に「Xシンプルパッケージ」「X」「X+」「G」の4つで、すべてのグレードで前輪駆動と2モーター4WDのe-4ORCEが選べる。今回試乗できたのは、Gの前輪駆動とXのe-4ORCEだった。

2026年6月に日本に導入された、新型「日産キックス」。海外ではすでに発売済みのモデルで、日本向けのものは神奈川の追浜工場で生産される(閉鎖後は九州へ移管)。

外も中も手抜かりは一切なし

デザインについては発表会でも目にしているが、あらためて、今っぽい形だと思った。フロントやリアで個性をはっきり出しつつ、サイドビューは洗練されているという組み合わせが、グローバルなカーデザインの潮流に乗っていると感じたのだ。先代はもちろん、トヨタやホンダのライバルと比べてもひと世代新しい。とりわけアメリカンフットボールのヘルメットをモチーフにしたというフロントマスクは、多くの人がSUVに求める力強さが表現できているのではないだろうか。

それでいてフロントのライティングは「セレナ」に似ているし、サイドウィンドウ上端とサイドシルのシルバーのモールは、日本刀をモチーフとしたという「フェアレディZ」を想起させるなど、日産らしさもしっかり込められている。

もうひとつ感心したのは、Gグレードではグロスブラックで上質感を表現したバンパー下部やサイドシルが、Xではスニーカーのソールのようなパターンを刻み込んでいること。格下感がなく、別の個性をアピールする仕立てに好感を抱いた。

インテリアは、12.3インチのディスプレイを横につなげた横長のインターフェイスが最新の日産車らしい。空間的には、細かい出っ張りがないのでリラックスできるし、ファブリックを入れたことでモダンなリビングルームのような雰囲気も感じる。

インストゥルメントパネルのアクセントカラーはGがゴールド、Xがシルバーで、シートも前者が人工皮革なのに対して後者はファブリックとなっており、上下関係ではないグレード間の違いをうまく出している。

ドライブセレクターは最近の日産が多用する横並びのボタン式。写真では遠くにあるように見えるが、身長170cmの僕は背もたれに体を預けたままでスムーズに操作できた。「D」や「R」には出っ張りが設けられているので、ブラインドタッチも問題ない。

フロントシートのサイズやサポート性は満足できるレベル。座り心地はファブリックのXのほうがしっとりしていて心地よかった。特筆できるのは車両感覚のつかみやすさで、メーターが視界を邪魔しないうえに、エンジンフードがはっきり見え、しかも左右の端を盛り上げた形状なのが、ありがたかった。一方リアシートは、乗り降りのしやすさ、十分なスペースとともに、現代のクルマとしてはソフトな着座感が印象に残った。筆者が所有したクルマでは、フランスでタクシーに多用されていた「プジョー405」がこういう感じだった。

ラゲッジスペースも容量は十分で、開口幅が広く、上級グレードでは電動リアゲートが用意されるなど、このクラスでは遜色がない内容だと思う。

アメフトのヘルメットをモチーフにしたという力強い顔まわり。厚みのあるフロントデザインは、迫力のあるビジュアルに加え、運転席からの見切りのよさにも寄与している。

乗れば驚く「e-POWER」の進化

パワートレインは先述したとおり最新世代のe-POWER。発電専用としてロングストローク化や高圧縮比化などが図られた1.4リッター直列3気筒エンジン「HR14DDe」と、モーターやインバーターなどをひとつにまとめた「5-in-1ユニット」を特徴とする。

その成果は予想以上で、エンジンが始動する頻度は低く、回り始めても音は気にならないレベルなので、ほとんどのシーンで電気自動車(EV)のような走行感覚を味わえる。試乗後に開発スタッフに話を聞くと、従来のエンジンより回転数を低く抑えることができたうえに、路面が荒れていてロードノイズが相応に入ってくるシーンで積極的に稼働させる、「こっそり発電」が効いているという。

WLTCモード燃費が最高で25.7km/リッターと、先代より改善したのもこの発電専用エンジンのおかげだそうだが、そうした数字以上に感覚面での印象がいい。エンジンのうなりがしばしば気になった先代とは雲泥の差で、凝ったエンジンを積んだ「エクストレイル」に匹敵するレベルだった。気になる人は、ぜひ試乗してみてほしい。

セレクターボタンの横にあるスイッチで選ぶドライブモードは、「エコ」「スタンダード」「スポーツ」の3種類。このあたりはほかの日産車でも見られる内容だが、エコとスポーツでは回生ブレーキが強めになるなど、モードの違いが分かりやすく、積極的に使い分けたくなるものだった。ただ、個人的にはどのモードでも“ワンペダル走行”ができないことが気になった。加減速を頻繁に行う市街地走行では重宝するし、安全でもあるので、「なんで付いていないの?」という気持ちになってしまう。

一方で感心したのは先進運転支援システムの「プロパイロット」(写真キャプション参照)。スイッチ操作は分かりやすいし、前車追従や操舵支援を安心して任せられるものになっていた。

緻密なモーター制御はEVを長く手がける日産ならでは。新型「キックス」では、従来モデルより素早い加速の立ち上がりと、力強く滑らかな車速の伸びを実現している。

「日産、変わったなあ」

乗り心地については、新興国向けを想定したVプラットフォームから、日欧で展開すべくルノーと共同開発したCMF-Bに切り替えたことが大きい。Gグレードでは、このクラスではかなり大径の19インチホイール&タイヤを履くが、足元の重さはほとんど感じられず、みごとに履きこなしている。同径のホイール&タイヤを組み合わせた「ルノー・キャプチャー」を日本向けにファインチューニングしたような感触だ。

もちろん17インチを履くXのほうが、この面に関しては上をゆく。古きよきフランス車をほうふつとさせる穏やかな乗り味だったのだ。加えて、このプラットフォームの美点であるフラットライドや優れた直進安定性はそのままで、このクラスの日本車のなかでは骨太な感触が伝わってくることも頼もしい。

ハンドリングは、前輪駆動のGグレードはとても自然。19インチのタイヤ&ホイールが唐突な挙動を出すことはなく、スムーズにコーナーに入ってくれる。でも、ここで特筆すべきはやはりe-4ORCE搭載車だろう。リアモーターの最大トルクを140N・mも確保したこともあって、舗装路を普通のペースで曲がるときにも、コーナー脱出時にリアが路面を蹴っていることが分かる。また減速時にはピッチングを抑制するよう、前後の回生ブレーキを協調制御。不快な車体の揺れもしっかり抑えられている。

その仕組みが分かりにくかったというユーザーの声を受けて、メーターにe-4ORCEの作動の表示を追加した点もよかった。これまでの日産車は、技術はすごいのにそれがわかりにくいというパターンが何度かあった。その点、新型キックスは第3世代となったe-POWERの進化がしっかり感じられるし、e-4ORCEの“見える化”も多くの人にその効果を伝えるだろう。

総じて新型キックスには、いい意味で「日産、変わったなあ」という印象を持った。こういうクルマをどんどん出してもらい、反転攻勢を力強く推し進めていってほしい。

(文=森口将之/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)

足まわりでは、従来モデルより径の大きなショックアブソーバーを採用。コーナリングや路面のうねりによる車体の挙動はしっかり抑えつつ、段差や荒れた路面からの衝撃は丁寧に吸収し、より快適な乗り心地を追求している。

テスト車のデータ

日産キックスG

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4365×1800×1615mm
ホイールベース:2655mm
車重:1480kg
駆動方式:FF
エンジン:1.4リッター直3 DOHC 12バルブ
モーター:交流同期電動機
エンジン最高出力:98PS(72kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:115N・m(11.7kgf・m)/6000rpm
モーター最高出力:143PS(105kW)/4800-1万0700rpm
モーター最大トルク:315N・m(32.0kgf・m)/0-2000rpm
タイヤ:(前)225/45R19 92W/(後)225/45R19 92W(ダンロップSPスポーツマックス060)
燃費:23.4km/リッター(WLTCモード)
価格:389万8400円/テスト車=446万0940円
オプション装備:ボディーカラー<レゾナンスブルー/スーパーブラック 2トーン>(7万7000円)/BOSEパーソナルプラスサウンドシステム<10スピーカー>(8万2500円)/100V AC電源<1500W、ラゲッジ1個>(6万6000円)/ホットプラスパッケージ<[ステアリングヒーター、リアヒーターダクト、ヒーター付きドアミラー]+クリアビューパッケージ[ワイパーデアイサー、リアLEDフォグランプ≪運転席側≫+高濃度不凍液]>(6万3800円)/インテリジェントルームミラー+NissanConnectインフォテインメントシステム+ドライブレコーダー<前後セット>+ETC2.0ユニット<ビルトインタイプ>(22万7700円) ※以下、販売店オプション 3Dフロアマット(3万1900円)/ウィンドウはっ水12カ月 フロントウィンドウ+フロントドアガラスはっ水処理(1万3640円)

テスト車の年式:2026年型
テスト開始時の走行距離:1996km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(レギュラーガソリン)
参考燃費:--km/リッター

日産キックスX e-4ORCE

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4365×1800×1610mm
ホイールベース:2655mm
車重:1550kg
駆動方式:4WD
エンジン:1.4リッター直3 DOHC 12バルブ
フロントモーター:交流同期電動機
リアモーター:交流同期電動機
エンジン最高出力:98PS(72kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:115N・m(11.7kgf・m)/6000rpm
フロントモーター最高出力:143PS(105kW)/4800-1万0700rpm
フロントモーター最大トルク:315N・m(32.0kgf・m)/0-2000rpm
リアモーター最高出力:68PS(50kW)/3500-1万0000rpm
リアモーター最大トルク:140N・m(14.3kgf・m)/0-3300rpm
タイヤ:(前)215/60R17 96H/(後)215/60R17 96H(ハンコック・ヴェンタス プライム4)
燃費:21.5km/リッター(WLTCモード)
価格:359万9200円/テスト車=437万9540円
オプション装備:ボディーカラー<ピュアホワイトパール/スーパーブラック 2トーン>(7万7000円)/LEDフォグランプ+クリアビューパッケージ<ワイパーデアイサー+リアLEDフォグランプ[運転席側]>(5万5000円)/100V AC電源<1500W、ラゲッジ1個>(6万6000円)/インテリジェントルームミラー+統合型インターフェースディスプレイ+エアコンスイッチ<デジタルタイプ>+NissanConnectインフォテインメントシステム+車載通信ユニット<TCU[Telematics Control Unit]>+ドライブレコーダー<前後セット>+ETC2.0ユニット<ビルトインタイプ>+カップホルダー<フロント2個、ピアノブラック調フィニッシャー>+インテリジェントアラウンドビューモニター<移動物 検知、3Dビュー機能付き>+プロパイロット緊急停止支援システム<SOSコール機能付き>+SOSコール+インテリジェント BSI<後側方衝突防止支援システム>&BSW<後側方車両検知警報>+RCTA<後退時車両検知警報>(47万6300円)/インテリジェントキー<オートバックドア開閉機能>+リモコンオートバックドア+バックドアオートクロージャー(6万0500円) ※以下、販売店オプション 3Dフロアマット(3万1900円)/ウィンドウはっ水12カ月 フロントウィンドウ+フロントドアガラスはっ水処理(1万3640円)

テスト車の年式:2026年型
テスト開始時の走行距離:1369km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(レギュラーガソリン)
参考燃費:--km/リッター

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《webCG》

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