自然と触れ合うには徒歩で---紅葉シーズンの渋滞問題で京都市が決断

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京都市は5日、今年秋の紅葉シーズンから嵐山に至る「長辻通」の約700m区間でクルマの乗り入れを完全シャットアウトするという方針を固めたことを明らかにした。ピーク時には1日あたり10万人の観光客が訪れるが、駐車場の空きを待つクルマで大渋滞が起こり、周辺道路まで連鎖反応で大混乱に至る。このため、これを未然に防ぐことが狙いだという。

クルマの乗り入れが禁止されることになるのは、紅葉の名所として知られる嵐山へのアプローチコースとなる長辻通の684m区間。京都市中心部から伸びる市道(鹿ケ谷嵐山線)と、渡月橋を結ぶ南北に至る道路で、中間地点には世界遺産にも指定された天龍寺がある。

京都の山々が色づく季節になると、紅葉を楽しむ観光客がマイカーが殺到。長辻通周辺は駐車場待ちのクルマと、近くにある嵐山駅から徒歩で渡月橋方面に向かう観光客が原因で大渋滞が起き、ときにはそれが京都市中心部まで波及してしまうため、市としても早急に対策を講じることが求められてきた。

そこで考案したのが「長辻通へのクルマ乗り入れ禁止」だった。観光客のマイカーはもちろん、タクシーや観光バスに至るまで紅葉期間中の乗り入れは全て禁止。一部の路線バスのみが乗り入れ可能とする措置を取る。また、周辺の駐車場にクルマを置かせ、鉄道でのアクセスを推奨する「パークアンドライド」も実施する方針だ。

実施を「紅葉シーズン」と定めたため、期間は現状では厳密に決められておらず、10月下旬から11月中旬の間になる、としか発表されていない。自然を愛でるために出かけるのだから、多少の不便を強いるのはある意味で当然といえるが、駐車場でエンジンを停止させない観光バスの排ガスによる空気の汚染は以前から指摘されており、渋滞対策だけではなく環境保護という側面も考慮されたようだ。

《石田真一》

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