気がついたら署内から押収した資料が消え、事件も時効に---どうなってるの?

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北海道警は12日、根室署が5年前に起きた事件(業務上過失傷害容疑)の捜査を放置し、関係者への処分が行われないまま、今年6月に時効となっていたことを明らかにした。被害者側から「あの事件はどうなった?」という問い合わせを受け、内部調査を進めた結果として明らかになったという。道警では根室署の関係者から事情を聞くとともに、被害者に謝罪する方向で調整を進めている。

問題の事件は5年前の1997年6月28日に起きた。根室市に在住する当時48歳の男性が、タバコを吸ったままの状態で自分のクルマのトランクを開けたところ、クルマが突然大爆発。男性は爆風に飛ばされて落下した際、背骨などを著しく損傷し、全治5カ月の重体となった。

警察と消防の調べで、事故を起こしたクルマには燃料注入口のキャップがないことがわかった。キャップが閉められていなかったことでガソリンが揮発。トランク内に気体の状態で留まり、男性がトランクを開いた瞬間にタバコの火が引火、酸素が一気に流入したことが拍車を掛け、大爆発を起こしたらしい。

負傷した男性は事故の2日前に根室市内のガソリンスタンドで給油していたこともわかり、警察でガソリンスタンドの関係者を取り調べたところ、従業員がキャップを閉め忘れていたことを供述。キャップも同スタンドから回収された。

根室署では被害者の回復を待ち、業務上過失傷害容疑として捜査していく方針だったが、被害者の回復が以外に長引いたために担当者が事件の存在を忘れてしまった。この結果、先月末に被害者側から「あの事件はどうなったのですか?」という問い合わせがあり、そこで初めて事件が時効になっていたことが明らかになった。

押収したはずの証拠物件も倉庫には残されておらず、事件自体が完全に宙に浮いた状態。いつ頃まで関係者への聴取が行われていたのかさえわからないという。道警では事態を重く見て、根室署の幹部から事情を聞くとしており、被害者には直接謝罪する方向で検討しているようだ。

《石田真一》

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