「体裁が…」警察官の不用意な一言が兵庫県警本部を揺るがす事態に

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兵庫県警は25日、警察官が職務中に起こした事故の処理を巡り、尼崎北警察署地域課に所属する警部補が被害者の家族に不適切な言動を行っていたという事実を明らかにした。県警では注意処分の検討を開始するとしている。

警察の調べによると、問題の事故は今月19日の午後に発生している。パトロール中の尼崎北警察署員が運転していた小型二輪車と、路上駐車していたクルマの脇から飛び出してきた小学2年生の男児が乗る自転車が出会い頭に接触。男児は接触の弾みで路上に転倒した。

男児に外傷が無かったことから、警官は騒ぎを聞きつけて戻ってきた駐車車両の持ち主の事情聴取と違反処理を優先。男児は股間に痛みを訴え、路上に座り込んでいたが、事故を起こした警官の上司である警部補が現場に到着するまでの30分間、その場に放置状態となっていた。

警部補は現地に到着後、「これは交通事故として処理すべきだ」と判断。男児を救急車で病院に運ぶ手配をしたが、駆けつけた男児の母親に対しては「現時点では責任が誰に及ぶのかはっきりしない。警察官が事故の当事者であるというのは体裁が悪いので無内々に、穏便に処理したい」と説明した。

しかし、男児の母親はこの言動を「警察が事故の隠蔽をしようとしている」と判断し、県警本部に苦情として報告したために事態が発覚したという。男児は病院で「外傷なし」と診断されたが、3日後に体調が悪化して別の病院に救急車で運ばれており、事故との因果関係を母親は指摘している。

母親からのクレームを受けたことで、県警本部が尼崎北署に照会して、事態の説明を求めたところ、問題の警部補は「事故を起こした部下から、男児がケガをしている様子が見られないという申告を受け、現場から立ち去ろうとした駐車車両の持ち主の聴取を優先させた。交通課には事故の発生を報告しており、適切な処置がなされているが、過剰な騒ぎに発展しそうなため、体裁が悪いという言葉を使った。これがもみ消しにつながると判断されたのなら、誠に申し訳ない」と話していたという。

兵庫県警では、被害者の母親から再三の要求があるまで軽微なひき逃げ事件の初動捜査を行わないなど、ここ最近も様々なトラブルが指摘されているが、それだけに市民も警察の対応には神経質になっている。

《石田真一》

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