緊迫の3分間、テープを法廷で完全再現---神戸の交通トラブル殺人事件

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路上駐車を巡る交通トラブルから、神戸市の大学院生が暴力団員に拉致されて殺害された事件の第3回公判が27日、神戸地裁で開かれた。検察側は兵庫県警が保存していた大学院生による110番通報の録音テープを証拠として提出。法廷で実際に再生している。

この事件は今年3月4日未明に発生したもので、路上駐車を巡るトラブルから神戸市西区に住む当時27歳の大学院生が複数の暴力団に拉致され、その後に激しい暴行を受けて死亡したというもの。警察官が現場に駆けつけた際、通報者である大学院生が姿を消していたにも関わらず、周囲の捜索を怠るなど、初動捜査体制のまずさが指摘されていた。

27日に行われた公判で、検察側は兵庫県警本部から提供を受けた110番通報の録音テープを証拠として提出。約3分間という、110番通報としては異様に長いテープの全てを再生している。

テープには殺害された大学院生が「ヤクザのおっちゃんが暴れてる」、「知らない人に絡まれている」、「早く来てくれ」と、指令センターの警察官に向かって話す内容が記録されており、背後で怒鳴り声が響いていた。声のトーンは徐々に緊迫感を増し、最後は絶叫に近くなっていたが、ある瞬間でプツリと切れており、事態の異常性を表現するに十分のもの。

また、この日は殺害された大学院生と一緒にいて、現場で暴行を受けた友人の男性も証言台に立った。暴力団員からの報復を防止するため、顔を見せないように証言台の周囲をパーテーションで覆うという異例の措置も取られている。

男性は110番通報のテープがプツリと切れた状況について、「通報を止めさせようとして、最終的には携帯電話機が破壊されたためだと思う」と説明。さらには「お前ら山に埋めたる、海に沈めたる」と言われ、恐怖を感じたと証言した。

《石田真一》

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