暴行から逃れようと高速道に徒歩で侵入は「常識的状況にあらず」と高裁判断

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2000年8月、同僚による集団リンチから逃れようとした22歳男性が中央自動車道に逃げ込み、クルマにはねられて死亡した事件に「傷害致死罪を適用できるか」を争ってきた裁判で東京高裁は14日、一審の「できない」という判決を破棄し、改めて傷害致死罪を適用。主犯格に対しては懲役4年(一審では同2年)の実刑判決を言い渡した。

この事件は2000年8月26日午後、長野県諏訪市内の中央自動車道下り線で起きた事故が発端となった。中央道の下り線を歩いていた22歳男性が走ってきたクルマにはねられて死亡したというもの。当初はこの男性がなぜ高速道路を歩いていたのかが不明だったが、その後の調べで男性が同僚からの集団リンチに耐えかね、逃走した際に起きた事故であることが判明した。

同僚6人は8月25日の深夜、帰宅途中の男性を公園で暴行。その後も1人のアパートに連れ去り、集団で殴る蹴るの暴行を行った。男性は翌26日になって隙をみて逃走したが、同僚が執拗に追跡するため中央道・諏訪インターチェンジ付近から高速道路内に逃げ込み、そこでクルマにはねられたらしい。長野県警・諏訪警察署は同年12月7日に関与した6人を逮捕、うち5人が傷害致死罪に問われて公判を受けていた。

しかし、弁護側は「男性が高速道路内に逃げ込むとは被告の想定外で、傷害致死罪の適用は納得できない」と主調。一審の長野地裁松本支部はこれを認め、暴行のみの責任があるとする判断(傷害罪のみを適用)を行い、主犯格に懲役2年、関与した4人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡す。検察側がこれを不服として東京高裁に控訴していた。

14日の判決で東京高裁の河辺義正裁判長は「一審の判断は高速道路への避難を“常識的にはありえない”としているが、被害者当人にとって集団リンチから逃れるという状況が常識的な状況であるとは思えない」と判断。「冷静な状態での判断を前提とした一審判決は誤っている」と結論づけた。その上で「勝手な思い込みで一方的な暴行を行い、事後に証拠隠滅を図った被告らの責任は重い」として傷害致死罪の適用を認め、主犯格に懲役4年、関与した4人に懲役3年6カ月から2年6カ月の実刑を言い渡した。

《石田真一》

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