派手な色はダメよ---景観条例の街がバス広告を解禁

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倉敷市(岡山県)の屋外広告物審議会は27日、市内を走るラッピング広告付きバスについて、街の景観を破壊しないよう、配色に一定の制限を導入する方針を決める答申を行った。早ければ年内に実施される。

倉敷市は歴史的な街並みを残すため、倉敷河畔の一部を「美観地区」として指定。全国でも指折りの厳しさを持つ景観保護条例(倉敷市美観地区景観条例)を導入し、歴史的な町並みの保護に努めてきた。だが、美観地区を除く市内全域に適用される同市の屋外広告物条例では動産扱いとなるラッピング広告付きバスについては明言されておらず、これまではバス会社からの申請に基づき、ケースバイケースで処理してきた。

しかし、市民や観光客から「街にそぐわない」、「色彩がけばけばしい」との指摘が相次ぎ、市では有識者を中心に構成する専門の審議会を設置。今後の扱いをどのようにするのかこれまで検討を重ねてきた。その結果、規制緩和の方針に基づいてバスのラッピング広告自体は解禁するものの、美観地区と同様、景観にそぐわない赤や黄色の原色系の色合い、または蛍光色などの使用を制限していく方針を固めた。

新たに導入される車体全面広告許可基準では、原色などの派手な色を、車体に描かれる広告全体の表示面積のうち1/2を超えて使用しないこと明言化し、それを厳守することを条件に、基本的には導入を自由化するという方向で決着した。審議会はこの案を市議会に答申し、早ければ今年末までに実際の運用を開始する。

現在、倉敷市内では2台のラッピング広告付きバスが運行されているが、現状のままでは「原色を使わない」という点で新基準に抵触してしまうことが決定的で、継続する場合には意匠の変更を余儀なくされるようだ。

ラッピング広告付きバスの配色について一定の制限を盛り込む条例は全国でも極めて珍しいといえるが、厳しい景観条例を持つ自治体が規制緩和を理由に導入したということに意義があるといえよう。

《石田真一》

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