「ひったくり事件発生を知らせません」模倣犯続出で

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兵庫県警・西宮署は6日、「被害が報道される度に模倣犯が増えること」を理由に、原付バイクなどを使ったひったくり事件が起きた場合でも、報道機関に対してその情報を積極的に開示しないという方針を示した。現在行っている一律発表は止めるが、報道機関からの個別問い合わせについては、その都度対処するという。

これは西宮署の幹部が6日までに独自判断で決めたもの。兵庫県内では1年間に約4200件ものひったくり事件が発生している。大半の事件は少年が関与し、安易な考えで行っているとみられる。

西宮署では「報道で手口が公開されると、それを模倣した犯罪が増える。ひったくりは短時間で簡単に行うことができ、過去の逮捕者の多くが“簡単そうだからマネした”と供述している。この観点からも積極的に事実を広報しないことが犯罪抑止につながると考えた」と説明している。今後は現在行っている一律の発表を原則的に廃止。被害額が300万円以上の高額である場合、被害者が負傷した場合、同一犯とみられる連続ひったくりなどのケースにおいて発表する。事件発生を知った報道各社が詳細の説明を求めた場合には個別案件として対処し、必要最低限の情報のみを開示する方針。

今回の措置は西宮署のみで行われ、県警本部や他の署が追随するかどうかは不明だ。県警本部では「西宮署独自の動きであり、県警本部はコメントする立場に無い」という。

関西圏の他の警察本部も「報道が模倣犯を生む」ということは認識しているようで、以前も「インターネットで詳細な手口を明らかにするのは止めてほしい」といった依頼が報道関係者にあった。だが、市民に対して防犯意識を強めてもらう意味では、事実の公表は必要だと思われる。

《石田真一》

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