相手を二度ひいたのは偶発事故にあらず---高裁も確定的殺意を認める

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借金返済を巡るトラブルから、58歳の男性を故意にクルマでひき殺し、殺人や死体遺棄罪などに問われた35歳の男に対する控訴審判決公判が6日、東京高裁で行われた。裁判長は一審で認められた被告の確定的殺意と判決を支持、被告の控訴請求を棄却した。

問題の事件は2001年12月7日に起きた。借金返済を巡って当時58歳の男性と被告が口論になり、やがて殴り合いのトラブルに発展した。被告は男性が路上に倒れたことを見届けると自分なのクルマに乗り込んで急発進。男性を故意にひき殺し、さらには遺体を山中に捨てたとして、殺人と死体遺棄容疑で逮捕された。

被告は「事故は偶発的に起きた」と主張。クルマを発進させた際には路上に寝ていた男性に気づいておらず、死体遺棄は「気が動転してしまった」と言い続けた。一審の前橋地裁では「被告はクルマと被害者が衝突したことを認識しながらブレーキを踏んでおらず、さらにはUターンして再度はねた」という検察側の主張を認定。「被害者を車でひき殺すという、確定的な殺意に基づいた残虐で執拗な犯行で情状酌量の余地はない。公判中も自己の責任を棚上げした不合理な弁解に終始し、真摯な反省の態度が見られない」として懲役12年の実刑判決を言い渡したが、これを不服とする被告が控訴していた。

6日の控訴審判決公判で東京高裁の河辺義正裁判長は「遺体の状況から二度ひいたことは明らかで、確定的殺意を強く推認できる」と認め、さらに「被告側は二度ひいたことには言及せず、一度目さえ“突然転倒したためにブレーキを踏めなかった”と主張し、回避措置を取っていないことを認めている。このことからも被害者を狙ってクルマを走らせたと推測するのが適当である」として、被告の控訴請求を棄却。一審の前橋地裁判決を支持した。

《石田真一》

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