山梨県警は14日、3人1チームでひったり犯罪や空き巣を繰り返し、2年間におよそ1600万円の被害を生み出していた少年窃盗グループを摘発した。グループは17歳の少年(すでに中等少年院送致処分済み)を筆頭に、中学校時代の友人など14人で構成されており、犯行のたびにメンバーを入れ替えていたという。
山梨県警の捜査一課と、甲府、南甲府両署の調べによると、このグループは2000年夏ごろから原付バイクを使ったひったくり犯罪を繰り返していたとみられ、17歳の無職少年を筆頭に、常に3人1組で行動していた。メンバーは主犯格の少年以外は常に交替していたが、これは中学時代の同級生を中心に「何か手伝うと分け前がもらえる」ということが口コミで広まり、固定化していなかったとめとみられている。
少年グループは甲府市や、その周辺で100件を超えるひったくり犯罪を繰り返していたとみられるが、そのうちに「もっと効率よく稼げることをやろう」と思い立ち、2001年ごろからは空き巣に着手。「敷地内に複数台の駐車場を持つ家は金持ち。そしてそこにクルマが止まっていなかったら、そこがターゲット」と称し、やはり3人1組で犯行に及んでいた。家屋に侵入するのは主犯の少年のみで、仲間2人は周辺での見張りに専念していたらしい。
少年から仲間が得る“バイト料”は数万から数十万で、稼ぎが多かったときには他の仲間を呼んでタクシーで移動。キャバクラなどを貸し切って宴会をしていたようだ。主犯格の少年は昨年11月に逮捕されているが、「稼いだカネはその場で使う」と供述しており、手元には全く残っていなかった。
このグループが関係したとみられる犯罪のうち、判明しているのは空き巣73件とひったくり1件のみ。甲府市内では2000年秋から昨年11月までに160件近いひったくり犯罪が起きているが、グループ摘発後は発生が著しく鈍化しており、この大半にグループが関与したとみて、裏付け捜査を進めている。