14日午後、兵庫県龍野市内の国道179号線を走行していた路線バスの運転手から「刃物を持った男にバスジャックされた」と通報があったと、バスの営業所から警察に対して届け出があった。警察がバスのルートを追跡し、事件発生から20分後に問題のバスを発見。車内にいた49歳の男を人質による強要行為等の処罰に関する法律違反と銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した。
兵庫県警・龍野署の調べによると、事件が起きたのは14日の午後6時35分ごろだという。JR姫路駅前発龍野行きの神姫バスの運転手から、同社の姫路営業所に対して「刃物を持った男にバスジャックされた。乗客1名が人質になっている」との通報が携帯電話で寄せられた。営業所はバスジャック事件と判断して警察に通報。通報を受けた兵庫県警は付近の警察署に対して緊急配備を命じ、龍野署からパトカー数台を出動させ、バスルート沿いの捜索を開始した。
バスの運転手は犯人が乗客の74歳女性にナイフを突きつけている様子を走行中に発見。一番近いバス停でいったん止め、男に対して要望を聞くなどの時間稼ぎをした。男は運転手に対して「岡山か広島に行け」と命じ、運転手は営業所に事件発生を一報した後、再びバスを走らせた。その数分後には緊急出動したパトカーがバスを発見。強制停止させた。
警察官がバスに突入した際、男は運転席直後の席に座っていたが、特に抵抗もなく、持っていたナイフもバッグの中に入れており、無抵抗で確保されたという。男は人質強要処罰法違反と銃刀法違反容疑で現行犯逮捕されている。運転手と乗客の2人にケガは無かったが、バスの運転は現場で打ち切りとなった。
警察の調べに対し、男は「ヤケになっていた」、「死にたかった」などと供述しているが、逆上している様子などは見られず、淡々と話しているという。警察では「バスの運転手がマニュアルどおりに、冷静に対応してくれたために早期解決に至った」とコメントしている。