繁盛する高速バスに、衰退する船会社の施設を充てろ!! 香川県の英断

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香川県は14日、高速バスの利用者大幅増加により、市民から「狭すぎる」と苦情の集中していたJR高松駅前の高速バスターミナルを移動する方針を明らかにした。2003年度の一般会計当初予算案に「バスターミナル整備費」として約5700万円を計上。利用者減少で施設に余裕がある高松港旅客ターミナルビルを改築して使う方針だという。

JR高松駅前の高速バスターミナルは、同駅付近の改良事業によって2001年5月に開設された。当初は四国内の都市間輸送便を中心に、1日あたり90便が発着するのみだった。しかし、本四連絡橋を通る関西方面などへの便がここ数年で急増し、1日あたり約120便。乗客の数も1年間で20〜30%も増えた。小規模な発券施設と5席のベンチしか設けられていなかった現在のターミナルは、待合所としてのキャパシティがすでに不足しており、悪天候の場合でもバスを待つ乗客は屋外待機を余儀なくされている。

このために市民からは「新しい施設なのに今後の乗客増加には何の考慮もなく、香川県や高松市に計画性が無いことは明白」とか、「四国の玄関口としてはふさわしくない」という声が上がっていた。

このため、香川県と高松市では共同で新しいバスターミナル用地の確保を検討してきたが、乗客の減少によって施設が休眠化している高松港の旅客ターミナルビルを転用する案が浮上した。発券施設に使える事務所は、船会社へのレンタル用として確保していた現行の施設をそのままバス用に転用することができ、待合室などの施設も充分にある。

問題なのはバスの折り返しスペースを確保することだが、これについては2003年度の一般会計当初予算案に「バスターミナル整備費」を計上。香川県と高松市が約5700万円を負担して整備するという。残る問題は現在この港湾施設を利用している船会社からの同意を得たり、使用していない施設の返還を受けたりすることだが、県では「8月の帰省シーズンまでには新ターミナルの運用を開始したい」としている。

《石田真一》

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