16mという距離は短くない---クルマにしがみついた男性を殺した女に実刑判決

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交際相手の男性をクルマでひいて死亡させたとして、殺人の罪に問われている32歳の女に対する判決公判が26日、大阪地裁で開かれ、裁判長は暴行の意図が女にあったと断定し、懲役2年8カ月の実刑判決を言い渡した。

この事件は2001年3月11日の未明に起きた。大阪市北区天神橋の路上で29歳の男性と、この男性と当時交際中だった30歳の女が金銭を巡って口論となった。女は自分のクルマに乗ってその場を離れようとしたが、男性は窓やドアノブなどをつかむなどして抵抗。女はそうした男性に構わずクルマを急発進させたが、男性は16mほど走ったところで転倒。後輪で頭を踏まれるなどして死亡した。女は男性をひいたままその場を走り去ったが、消防隊員から現場に戻るように説得され、再び戻ってきたところ殺人容疑で逮捕された。

被告側は「事故は偶発的に起きたもので、男性に対して危害や暴行を行う意図は全く無かった」として、殺人ではなく、あくまでも事故であったことを裁判の過程で強調してきたが、26日の判決で大阪地裁の角田正紀裁判長は「被告は男性がクルマのドアノブをつかんでいることを承知しながら、それを振り払おうとジグザク走行したり、急加速を行っている」と指摘。「16mという距離は決して短いものではなく、その間に継続して男性を振り落とそうとした行為自体に暴行の意図があった」と認定した。

その上で「短絡的な犯行の被害で命を落とした被害者の無念は計り知れない」と断罪し、被告に対して懲役2年8カ月の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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