異音を感じたら止まって確認するのが警察官の責務---ひき逃げ警官に断罪

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帰宅途中に自分のクルマで死亡ひき逃げ事故を起こしたとして業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われていた51歳の元警察官の男に対する判決公判が26日に新潟地裁で開かれ、裁判官は「警察官として悪質」として懲役2年2カ月の実刑判決をを言い渡した。

この事故は昨年10月23日の午後7時ごろに発生している。新津市市之瀬の県道で近所に住む85歳の女性が道路を横断中にクルマにはねられ、およそ4時間後に死亡した。女性をひいたクルマはそのまま逃走を続けたことから、警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。

現場に落ちていた容疑車両のものと思われるドアミラーを証拠として捜査を進めていたところ、容疑車両と同じタイプのクルマが修理に出されていたことを突き止めた。しかし、そのクルマの所有者は現役の警察官で、事故後も同じクルマで出勤を続けていた。

警察では10月30日にこの警察官を逮捕し、取り調べを進めてきたが「何かに当たったような音を聞いた記憶がある」と供述するのみで、事故については「身に覚えがない」という供述を続けてきた。

26日の判決公判で新潟地裁の「何か当たったような音がしたというのなら、現場でそれが何かを確認することが適切。充分確認しないまま立ち去ったのは自己保身として言いようがなく、事故当時に現職の警察官だったことを考慮すると社会の信用を失墜させその影響は大きい」と厳しく指摘。だが、遺族との間で示談交渉が進み、本人も免職していることから「社会的制裁は充分に受けた」と判断。懲役3年の求刑に対し、懲役2年2カ月の実刑判決を言い渡した。

今回の判決を受け、新潟県警では「全警察官に職責と生命の大切さを守るように指導し、今後の再発防止に努めたい」とコメントしている。

《石田真一》

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