27日午前、北海道千歳市内のJR千歳線・南千歳〜千歳駅間を走行中の寝台特急列車が線路上に落ちていたクルマのアルミホイールに衝突。車体の一部を破損し、緊急停止するという事故が起きた。隣接する国道で車輪脱落の単独事故を起こしたクルマから飛んできたものとみられる。
北海道警・千歳署の調べによると、事故が起きたのは27日の午前8時30分ごろだという。大阪発札幌行きの寝台特急「トワイライトエクスプレス号」が南千歳駅を出発した直後、運転士が線路上に落ちている異物を発見。急ブレーキをかけたが間に合わずに衝突。車体の一部を破損して停止した。
線路上に落ちていたのは乗用車のアルミホイール。実は列車の事故が起きる直前、並行している国道36号線を走っていたクルマから左前輪が突然外れるという単独事故が起きていた。ホイールは道路上には落ちておらず、クルマの運転者が周囲を捜索している矢先に事故が起きた。線路と道路は約18m離れているが、クルマから脱落した弾みで転がり続け、そのまま線路に飛び込んだらしい。道路と線路の間には柵も設けられているが、勢いよく転がるタイヤはそれもクリアしてしまった。
寝台特急列車は機関車のブレーキ系統に不具合の生じた可能性があるために千歳駅で運転を中止。飛び散った破片を集めるなどの事故処理を行ったため、新千歳空港へのアクセス列車など23本も運休し、5300人の足に影響が出た。
千歳署ではタイヤの脱落事故を起こしたクルマの運転手から道路交通法違反(整備不良)の疑いで事情を聞いているが、列車往来危険容疑が成立する可能性もあるため、慎重に捜査を続けている。
現場は新千歳空港に隣接する見通しの良い直線道路。札幌と苫小牧を結ぶ幹線ルートであり、事故当時の交通量も多かったという。