50万円稼げるバイト=保険金詐欺---支払いに悩むクルマ好きに伸びる魔の手

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愛知県警は28日、高級輸入車を使って故意に事故を起こし、修理費名目で保険会社から多額の現金を騙し取っていたとして、名古屋市在住の自動車販売業の男ら6人を詐欺容疑で逮捕した。共犯者の一部には別件で公判中だったり、すでに有罪判決が出ている者もおり、警察では類似案件も視野に入れながら捜査を進めている。

愛知県警・交通指導課と港署の調べによると、この男は2002年7月10日深夜、名古屋市港区内の路上で、駐車していた乗用車にメルセデスベンツを衝突させるという偽装事故を起こした疑いが持たれている。保険会社に対しては「センターラインをオーバーしたクルマと衝突した」と説明。保険会社から修理費として240万円を騙し取っていた。同様の事故は警察が確認しているだけで16件、総額3000万円に及ぶが、氷山の一角と考えられている。

男は借金の返済に悩む知人のクルマ愛好者などに「1回で50万円が儲かるいいバイトがある」と声を掛け、事故の一方の当時者に仕立てあげ、全ての事故で支払われる保険金が高くなるよう、高級輸入車を関係させていた。また、保険会社のデータベースに記録が残ることを避けるため、相手側の保険会社を変えるなどの工作も行っていた。保険金支払いの基準となる修理費の見積もりも工賃が高い輸入車専門店に依頼して行い、実際の修理は工賃の安い別の修理工場に再依頼して安く上げていた。

犯行に関わったのは20人以上とみられているが、今回逮捕された6人は他の詐欺事件にも関与していた人物が多く、一部は公判中だったり、すでに有罪判決が確定してるものもいる。警察では全容解明を急ぐ方針だが、前例がないほど手口が巧妙なため、捜査が難航することは間違いないだろうとしている。

《石田真一》

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