飲酒運転常習男の「免許はもう取らない」は反省と見なされるのか

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酒を飲んでトラックを運転中、対向車線にはみ出して乗用車と衝突し、この乗用車に乗っていた女子中学生を死亡させたことで業務上過失致死と道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた51歳の男に対する判決公判が3日、山口地裁萩支部で開かれた。裁判官は「事故の責任は重大だが、反省はしている」として、懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。

この事故は昨年11月に発生している。山口県萩市内の国道191号線で、51歳の男が運転する大型トラックがセンターラインをオーバーし、対向車線を走行していた乗用車2台と相次いで接触した。この事故で最初に衝突したクルマの後部座席に乗っていた13歳の女子中学生が事故から6日後に死亡している。

警察による捜査でトラックを運転していた男が事故直前に飲酒をしていたことが発覚。業務上過失致死と道交法違反(酒気帯び運転)容疑で逮捕した。警察は「容疑者には飲酒運転の常習性が認められる」としたものの、センターライン逸脱と飲酒の関連性は薄いと判断。飲酒運転の常習者などに適用される可能性のある危険運転致死容疑への変更は行わなかった。

これに女子中学生の遺族は激怒。山口地検の副検事に危険運転罪への変更を強固に求め、その態度に腹を立てた副検事との間でトラブルが生じ、公判開始直前に担当者が交代することになった。

3日の判決で山口地裁萩支部の山口浩司裁判官は「飲酒した状態で大型トラックを運転したことは言語道断だが、被告は今後免許を取らないとしており、反省している態度は伺える」として、懲役5年の求刑に対し、弁護側からの減刑要求を認め、懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。

遺族側は現時点でも危険運転致死罪に準じた厳罰の適用、あるいは減刑なしの実刑判決を求めており、控訴される可能性が高い。

《石田真一》

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