「指導を頼む」は「違反を見逃せ」という命令?

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栃木県警は26日、信号無視で摘発された際、自分の階級を悪用して手心を加えるように部下へ強制していたとして、宇都宮中央署で地域課長を務める57歳の警部を23日付けで戒告処分に科したことを明らかにした。また、摘発当日に交付されなかった反則キップについても同日付けで交付している。

栃木県警・監察課の調べによると、この警部は前職の鹿沼署・地域課長を務めいてた今年2月19日の深夜、栃木県宇都宮市本丸町の市道交差点を自分の所有するクルマで通行中、点滅赤信号(一時停止の必要あり)を無視して進入したところを、宇都宮中央署・地域課に所属する2人の警官に見つかった。

この際、警部は自分の階級を明かした上で「今度鹿沼署からここの地域課に赴任することになった。市内の交通規制については詳しくないから指導をよろしく頼むよ」などと発言した。2人の警官は「指導をよろしく頼む」という発言を「見逃せ」という命令と受け取り、「ここの一時停止は見落としやすいんです」と口頭による指導のみ行ったという。

2警官は新しい地域課長が鹿沼署から赴任するという情報は把握しており、監察課の調べに対しては「すぐに新課長だと思った」などと供述しているという。

2警官が上司への報告も行わなかったことから、この日のことは闇に葬り去られるという形になったが、4月中旬になってから監察課に対して「宇都宮中央署・地域課の新課長が部下に命じて自分の違反をもみ消した」という告発状が届き、調査を開始。当日取り締まりをしていた2警官がこの事実を認めたため、表ざたになったという。

もみ消しを命じたとされる警部は監察課に対して「そういう意味ではなかった」と弁明しているが、監察課では「県民の警察に対する信頼を裏切った」として戒告処分の実施と、反則キップの交付を決めたという。

《石田真一》

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