★ちぢみ志向を打破する“アートなクルマ”…Z4
80年代のバブルは崩壊して久しいが一向に景気は回復しない。そんな世相を反映してかクルマもすっかりちぢみ志向、あるいは実用志向となっている。環境を考えればそれはそれで結構なことだ。しかしそろそろ心臓がドキドキするようなクルマに乗りたくなっているのも人情。そんな気持ちをデザインにして、大胆に、しかも鮮烈に登場したのが『Z4』だ。
レトロでグラマラスな『Z3』を一回りサイズアップし、クルマのような高速移動体の常識である水平基調の「スピードフォルム」のデザインセオリーから決別して、BMWの新しいデザイン路線を打ち立てた。長大なノーズに丸テールランプのダッグテール。台形のロールバー二本をそそり立てて通り過ぎるZ4の後姿は、その元気さで目立つこと請け合い! あのフロイトも感動しそうだ。
フロントピラーと関連させたのであろうか、BMWのサイドエンブレムとクロスする斜めの鋭い線や、ヘッドランプの上端の切欠きからドアー下端パーティングに一気に流れるカーブは、明快な幾何学パターンとビビットな色彩で表現しているカンディンスキーの名画「黄・赤・青」を見ているようだ。
これは彼がバウハウスで新しい事を始めたころの作品で、おそらく明るい未来を想像しながら製作していた時期という点が、これからのBMWの新しさと重なるのだろう。方向は違うが自由という点では往年の名車ドラージュにも通じる。“アートなクルマ”には様々な連想が沸いてとまらない。
二枚目で優等生のような3シリーズのデザイン路線からの決別という決断は、Z4のデザインそのもの以上に大胆で、しかもリスクの高い賭けだ。BMWの秘策、あるいは将来展望はなんなのだろうか?
1/3★新型5シリーズの「目」は他車撃退のサイン!
3/3★HPとIQは反比例する、なんて




