★性能はともかく……キドニーグリルにあこがれ
一般の人から見て「オエーッ」と思われてしまうエクステリアは、ともすると柔らかい有機的生物系になりがちな複雑な3次元パネルとキャラクターラインを、硬質な素材から切り出された彫刻のようなフォルムに見せ、インテリアの硬質なディテールの仕上げと相まって、全体的にバランスを保っている。BMWの新世代ロードスターの先陣を切った『Z1』からは想像できないほど、Z4はクルマというより美術嗜好品に近づいた。
Z4の真のライバルは、ポルシェ『ボクスター』ともいわれている。同じドイツの自動車メーカーであるのに、これだけ正反対のデザインコンセプトで勝負している点に私は注目したい。直列6気筒と水平対向6気筒の直接対決の結果はどうなるか、今後の販売台数競争も見どころである。
BMWのスタイリング上でのオリジナリティといえば、すべての車形に共通するフロントの伝統的なキドニーグリルとオーナメントバッチの関係である。時代とともにフロントランプなど最新技術が盛り込まれて大きく変貌しつつも、この一大テーマは他のデザインの進化と歩調を合わせ微妙に革新され続けているのである。Z4も5シリーズも、イメージリーダー的存在の『Z8』と同じBMWの魂を持ったクルマという思想の一貫性がファンの心を捉えていると思われる。
かたや日本車の、どのクルマがどこのメーカーのものなのか判別つかない状況に対して、ヨーロッパ・アメリカ勢メーカーのクルマに対する認識の違いは歴然である。アメリカのX3のオーナーのなかには、性能はともかくBMWらしい顔つきのSUVに乗りたかった、という人もいるのである。
1/3★異質なほど存在価値、優越感が高まる
3/3★5シリーズはデザイン的に「薄いクルマ」




