今年8月中旬、福岡市内の高級ブランド品販売店にクルマで突入し、700万円相当の商品を盗み出すという事件を起こしたとして、福岡県警は16日、この事件の主犯格となる25歳の男を同日までに窃盗と器物損壊の容疑で送検したことを明らかにした。
福岡県警・福岡中央署の調べによると、この事件は今年8月16日の未明に発生した。午前4時ごろ、福岡市中央区天神1丁目付近にある高級ブランド品販売店にクルマが突入。道路に面したショーウインドウを破壊した直後に3人の男が店内に押し入り、エルメス、シャネルなどのハンドバッグ合わせて705万円相当を盗んで逃げた。
この店ではこれ以前にも同様の手口による襲撃を受けており、2回目の被害に遭ってからは軽微な衝突では破壊できない厚さの3層式の強化ガラスに交換していた。これ以降は商品が盗まれることはなかったが、8月の犯行の際に犯人グループは構造が頑丈な外国製高級車を犯行に利用。数度の衝突で侵入口を作り、犯行に及んでいた。
警察では防犯カメラに残されていた映像や指紋から25歳の男が犯行に加わったものとみてその行方を追っていたが、この男は今年10月に京都府内で別の窃盗事件を起こし、京都府警に逮捕されていた。その捜査の過程で福岡の事件も明らかになり、移送されてきた。
8月の事件では他に2人の共犯者が存在することが判明しているが、逮捕され男は2人については「誰なのかは知らない」と供述を拒んでいるという。警察では男を厳しく追及し、依然逃走を続ける2人についても特定を急ぐ方針だ。
