抜け道に隣接の重要文化財、トラックがぶつかる

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12日午前、奈良県にある、世界遺産の法隆寺西院の東側土塀にトラックが接触した。土塀の一部は「西院大垣」と呼ばれる国の重要文化財。土塀そのものに損傷は無かったが、瓦8枚が損傷している。

奈良県警・西和署によると、事故が起きたのは12日の午前11時30分ごろ。斑鳩町法隆寺北1丁目付近の法隆寺境内を通る町道で、27歳の男性が運転する普通トラックが法隆寺西院の土塀の軒に荷台が接触した。

トラックは接触に気がつかず20mほど走行。その間に瓦8枚が落下して破損した。

トラックが接触した土塀の一部は室町時代から江戸時代初期につくられた「西院大垣」と呼ばれるもので、国の重要文化財に指定されている。割れた瓦8枚のうち、4枚は重文に指定されたエリアから落下している。ただし、土塀本体に損傷はなく、割れた瓦も1976年に行われた補修の際に葺き替えられたものだった。

現場は幅員2.2m、以前から抜け道として使うケースが後を絶たなかった。2年前にも同様の事故が発生しており、このときも瓦数枚が破損している。

警察ではトラックを運転していた男性から器物損壊容疑で事情を聞いているが、取り調べに対しては「目測を誤って通れると思ってしまった」などと供述しているという。路面から土塀の軒までは約3mだが、トラックの荷台の高さは約3.1mだった。

斑鳩町や法隆寺では「文化財保護の観点からも早急に対応策を検討したい」と話している。最善の方法は道路を閉鎖してしまうことだが、現場が生活道路として機能している実態は数十年前から変わっておらず、対応には苦労させられそうだ。

《石田真一》

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