金品を奪う目的で酔って歩いていた男性をクルマで故意にはね、その後に集団で暴行を加えて殺害したという事件で、埼玉県警は25日、犯行に関与したことを自供した2人の供述に基づき、千葉県本埜村の造成地を捜索。供述通りに男性の遺体を発見したことを明らかにした。
埼玉県警・捜査1課の調べによると、この事件は今年2月6日の午前2時30分ごろに発生したとされる。埼玉県草加市内の市道を酔って歩いていた42歳の男性を、27歳の男がクルマで故意にはね、男性を負傷させた上で金品を奪おうと試みた。
しかし、クルマに接触した男性が現場で大声を上げるなどしたため、男は男性に暴行を加えた上で車内に監禁。その後に携帯電話で呼びつけた2人とともに、車内で暴行を加えてキャッシュカードやクレジットカードの暗証番号を聞きだした後に殺害。粘着テープで全身を縛った後、千葉県内の山中に遺棄した疑いが持たれている。
犯行に関与した3人のうち、1人が「殺害した男性を千葉県内の宅地造成地に埋めた。埋める際には重機を使った」と供述。警察では供述に従う形で25日午前から千葉県本埜村内の造成地を捜索したところ、同日正午すぎに遺体を発見。歯形や服装などから事件当日から行方不明になっていた男性と確認された。
主犯格の男は今も事件への関与を否定しているが、他の3人の中には以前にも同様の事件を起こし、現金などを奪っていたことを匂わす供述を行っている者もいることから、警察ではさらに厳しく追及し、余罪も含めた事件の全容解明を急ぐ方針だ。