【大改正道交法】民間委託…駐車監視員の1日

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民間委託された場合の放置駐車の監視方法がわかってきた。受託する資格があるのは、株式会社、NPOなど法人格を持つ団体である。

希望する法人は、あらかじめ各都道府県公安委員会に登録し、競争入札に応募する。現場で警察官の代わりに監視を行うのは、その法人の「駐車監視員」という資格を持った一般人だ。

駐車監視員の1日はこうだ。駐車監視員は、監視を始める前に担当エリアの警察署に立ち寄って「巡回計画書」を受け取る。巡回計画書とは、委託会社が警察の指導のもとに作成し、警察署長の認可を受けた“摘発マップ”のようなものである。この区域をこの順路で回り、この路線を重点的に監視するなど要件が記載されている。

監視員は2人1組。駐車監視用の資機材(デジカメ、標章、放置駐車であることを知らせるステッカーなど)を受け取り、計画書にある現場に向かう。

現場での仕事は、マニュアルに従った放置駐車の確認と標章の取り付けだ。取り付けといっても、警察官が行うような鍵つきの札ではない。むしろパーキングメーターの時間超過や不払いなどを指摘するビラに似た“お知らせ”だと考えられている。

文面は、すみやかな移動と違法駐車を警察が指摘することがあるというソフトなものだ。これは一般人による監視のため権限がないことによる。

しかし、警察署に戻ると監視員はデジカメで撮影したデータをコンピュータに転送し、委託会社は活動結果報告書を警察に提出するので、弁明しない限り、放置駐車の事実は記録されている。

株式会社などの営利企業が委託を受けた場合、数多くの摘発をすることが収益を上げることにつながり、結果として恣意的な摘発が行われるのではないかという点が懸念された。

この点についても、警察庁は報告1件あたりいくらという委託をするわけではない。主に監視員を雇用する人件費としての委託をし、監視員は巡回計画書に基づいた無理のない監視を行うから、公平な監視になると主張している。

ただそうなると、違法駐車の効率的な取締りを行う“民間委託”のやる気(インセンティブ)は、どこにあるのか、という新たな疑問も浮上するのだが……。

《中島みなみ》

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