【愛・MATE実証実験】交通機関が情報を運ぶ「デリ写ら」

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【愛・MATE実証実験】交通機関が情報を運ぶ「デリ写ら」
【愛・MATE実証実験】交通機関が情報を運ぶ「デリ写ら」 全 5 枚 拡大写真

「未来の乗り物は情報も運ぶ」のコンセプトの下、万博・長久手会場のグローバルループ上で11日、略して「デリ写ら」と名付けられた実証実験が行われた。インターネットや電話といったネットワーク/通信環境に頼らず、交通機関によって情報を「運搬」させる試み。

■未来の乗り物は情報も運ぶ

実験のテーマは「未来の乗り物は、人やモノだけでなく情報も運搬する」というもの。これが実現すれば、災害で電話やインターネット等の通信回線がパンクした時や通信環境がない場所でも、交通機関に情報を載せて伝えることが可能になる。

情報に(記憶媒体そのものを除けば)重さはないし、インフラも必要としないので、通信コストが生じない点もユーザーにとっては魅力だ。

■万博会場でおなじみの情報端末「愛・MATE」を使う

実験の舞台は万博・長久手会場のグローバルループ。各エリアを結ぶ一周2.6kmのひょうたん型をした周回路だ。

まずユーザー役の被験者に、オレンジ色のハイブリッド携帯情報端末「愛・MATE」が配られる。

万博スタッフが首から下げているものと基本的に同じで、携帯電話と携帯情報端末(PDA=パーソナル・デジタル・アシスタンス)の機能が合体したものだ。OSは一般的なPDAと同じWindows Mobile(いわゆるWindowsCE)で、その上に今回のプログラムが実装されている。

また、コンパクトフラッシュスロットにGPSカードを差し込んだブルーの「愛・MATE」も渡される。被験者が実際に操作するのはこのブルー端末となる。

システムはピュアP2P型モデルとして動作するが、今回は実験用として前述のオレンジ端末に搭載されたEVDOを使って実験データを上流サーバに転送しているため、被験者はブルー端末、オレンジ端末の両方を利用している。

●補足

実験には、慶應義塾大学環境情報学部 村井純研究室で開発している自律・分散・協調型情報配信システム「Content Cruising System」を通信ミドルウェアとして使っている。

これはIPv6のリンクローカル全ノードマルチキャストという機能(無線・有線で直接繋がった同一リンク上の相手にデータを同報できる機能で、無線LANの場合、電波範囲に入った1hop以内の全ての情報端末のアドレス宛に同一データを送信することが可能)を利用して周辺の端末に情報を配信し、後はデータを受けた端末が自分の位置情報や時刻情報を元に自律的に情報転送をくりかえしてやることによりデータが自律的に目的地周辺に移動してくれるという仕組みだ。この位置情報を取得するために、各端末はGPSの位置情報を把握している必要がある。

なお、今回の実験は構造計画研究所およびアイ・オー・データ機器による協賛を受けており、GPSカードはアイ・オー・データ機器のコンパクトフラッシュ型 高感度GPSレシーバー『CFGPS2』を使用している。

《ITS DAYS》

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