GMが所有していた富士重工株を手放したことで、もっとも影響を受けそうなのがスバルのプラットフォームや技術提供を受けていたGM傘下のサーブブランドだ。
GMは富士重工株売却により3億1500万ドルの現金を手にし、赤字の減少に役立てる事ができた。しかしベンチャーとして進められて来たスバルとサーブとの提携のいくつかを白紙に戻す必要が生じている。
例えば現行のサーブ『9-2X』は、実質的にスバル『インプレッサ』のリバッジモデルである。このモデルは提携契約期間は生産が続行されるが、その後は別のプラットフォームを使用する必要がある。GMではこのモデルを成長するアジア、特に中国マーケットへ投入することを考えており、将来、改めて設計しなければならないのはGMにとってマイナスとなる。
さらに、スバル『B9トライベッカ』のプラットフォームを使って作られる予定だったサーブのクロスオーバーモデルについては、計画そのものが白紙に戻されることになった。GMではコンセプトとして発表したオペル『アンタラGTC』の量産仕様を新型サーブクロスオーバーにも流用する予定だが、デザイン、販売のスケジュールは大幅に伸びる事が予想される。
とりあえずのキャッシュフローは得たものの、富士重工株の放出がGMにとって全体としてプラスとなるのかマイナスとなるのか、答えが出るのはもう少し先になりそうだ。