ウォールストリートジャーナル紙が報道したところによると、フォードでは現在「トップシークレット」のプロジェクトが進行中で、その内容とは特許技術を用いたクルマの再利用法なのだという。
アメリカ、そしてヨーロッパでも車の部品、パーツのリサイクルは進んでいる。その中で、新たな技術を用いたリサイクルとは一体何を指すのか、と業界では興味津々といったところ。
報道によると、このプロジェクト名は「ピケット」で、これは初代フォード会長ヘンリー・フォード氏が大豆を原料としたポリマーで作ったプラスチックボディのクルマを製造する実験的プロジェクトに一度使ったことがあるコードネームだ。
この実験的試みには、ヘンリー・フォード氏が斧でプラスチックボディのフォード「モデルT」トラックを叩いている写真が残っている。このトラックは壊れなかった、という。しかし時代を先取りし過ぎたのか、周囲はクルマのボディにプラスチックを使う、というアイデアを受け入れる事が出来ず、結局実験は頓挫した。
面白いことに、この時ヘンリー・フォード氏は実験の成功を信じ、ミシガン州ディアボーンに広大な土地を購入し、大豆畑を作ろうと考えた。その土地こそが、現在のフォード本社となった場所だ。
今フォードが「ピケット」という名前を復活させたことで、この頓挫した試みを現代に蘇らせようとしているのか、環境に優しいプラスチックボディのクルマが実現するのか?