日産自動車は、28日開幕のジュネーブモーターショーでコンセプトSUV『テラノート』をワールドプレミアすると発表している。このほど追加で先行発表された資料を見ると、ショー向けの演出を除けばかなり現実的になってきている。
テラノートは動く実験室、地上の月面車がコンセプト。「地上のどんな環境からも乗員を保護する。いいかえれば乗員は自然の一部になれる」とモーターショー・先行商品開発部のフランソワ・バンコン部長は説明する。
デザイン開発はロンドンにあるNDE:ニッサンデザインヨーロッパ。NDEのアシスタントチーブデザイナーで、テラノートのプロジェクトリーダーを務めたフェリペ・ロー・クリファスは「テラノートは世界のどこへでも出かけられ、観測して報告するようにデザインされた」と語る。
テラノートの車名は「地上の航行者」という意味の造語だろうが、インド神話の神様から転じて巨大な乗り物を意味する「ジャガーノート」を連想させ、また日産の従来型SUVの車名『テラノ』も連想させる。ただしテラノートの全長4965mm×全幅2100mmという寸法は『パトロール』に近い数字で、わずかに短く、わずかに広い。
日産スタンドの目玉はテラノートに加えて、東京モーターショーで先に発表され、今回が欧州プレミアとなる『ピボ』コンセプト。「これら2台を出品することで、幅広く多彩な消費者のニーズにそれぞれ応える日産の技術力、単なるトランスポーテーション以上の商品を開発する能力をアピールする」と商品企画担当のカルロス・タバレス副社長は説明する。