確かに、いままでの1.4リッター車はやや力不足だった。やはり、高速道の合流や追い越しなどには、もう少しガッツが必要と思っていた。そこで、ついに期待の1.6リッター仕様の『クロスポロ』が登場した。
ルーフが少し高めのSUV風のルックスは、ミニバン大国の日本ではウケるだろう。ベロをちょっぴり口から出したようなシルバー色のフロントアンダーガードにはスポーティな味が漂っている。
運転席に座ってみても、オレンジ色の2トーンシートは明るくておシャレな雰囲気になっている。おもしろいことに、背の高さを感じさせるようなロールなどが上手く抑えられている。
17インチのタイヤとやや硬めのサスから生まれる快適なコーナリングは標準ポロより遥かに楽しい。ドライビングが好きな人には、105psのエンジンと6速ATは、このクラスでは最高の組み合わせだと思う。
元気に回る1.6リッターユニットと素早く変速する6速ティプトロニックはあまりにも気持ちいいので、気づかないうちにシフトする自分に驚く。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
ピーター ライオン|モータージャーナリスト/コラムニスト
60年豪州生まれ。88年から東京を拠点に自動車評論活動を始める。現在、米・英・独・伊・豪・日本など10か国の有力誌に寄稿。(日本)COTY、(米)『カー&ドライバー』誌「10ベスト賞」、ワールドCOTY賞、国際エンジン賞、各選考委員を務めている。