日産自動車と日本電気(NEC)、NECトーキンは、合弁会社オートモーティブ・エナジー・サプライ(以下AESC:Automotive Energy Supply Corporation)を設立することで合意した。
AESCは、2009年度までに、全世界の自動車産業関連メーカー各社に電動自動車(ハイブリッド車、プラグイン・ハイブリッド車、電気自動車など)用のリチウムイオンバッテリーを供給することを目指す。
AESCの資本金は4億9千万円で、日産とNECグループが折半出資する。2007年4月末までに操業を開始する予定。
次世代の電動自動車を対象とした高性能リチウムイオンバッテリーの開発およびマーケティングを行い、1年後をめどに量産を視野に入れて両社の協力関係を更に強化する予定だ。日産とNECグループによって開発された先進技術を用いることで、世界をリードするリチウムイオンバッテリーの量産を目指す。
NECとNECトーキンが自動車用大容量ラミネート型電池(セル)技術の提供と生産を担当し、日産が電動自動車に適応する電池モジュール・パックの技術を提供する。AESCの主力商品は自動車用の高性能リチウムイオンバッテリーで、独立企業として日産以外の自動車メーカーへの販売も目指す。
AESCは、他社にはない最先端技術、環境対応、高性能、安全性、用途の広さ、そして価格競争力を実現した独自のリチウムイオンバッテリーを量産していく予定。
日産にとって今回の提携は、昨年12月に発表したCO2排出削減を目的とする環境行動計画、「日産グリーンプログラム2010」の重要項目の一つ。
日産の開発担当のカルロス タバレス副社長は「コストと台数が、新技術を浸透させる上での大きな課題だ。専門会社を立ち上げることで、日産はAESCを通じて、原価低減と量産に直接対処できるようになる。更に、性能・信頼性の向上を図るとともに、電動車両の環境上のメリットをお客様に知っていただくための取り組みも必要だ」とコメントしている。
また、NECの鹿島浩之助執行役員は「日産との提携により、リチウムイオン電池のポテンシャルカスタマーとして日産を得ることができた。今後はさらに世界中の自動車メーカーに対する拡販を促進していく」としている。