【ラジアルタイヤ徹底ガイド】車重の軽いミニバンのための最適設計…トーヨー トランパスMP4 for コンパクトミニバン

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【ラジアルタイヤ徹底ガイド】車重の軽いミニバンのための最適設計…トーヨー トランパスMP4 for コンパクトミニバン
【ラジアルタイヤ徹底ガイド】車重の軽いミニバンのための最適設計…トーヨー トランパスMP4 for コンパクトミニバン 全 4 枚 拡大写真

「トランパス」はトーヨータイヤの専用タイヤ構想から生まれたミニバン専用タイヤである。トーヨー『トランパスMP4』は『MP3』の進化版であるが、トレッドパターンはもちろん構造もトレッドコンパウンドも大きく変わった。トレッドパターンは標準タイプ、偏平用、軽&コンパクトカー用とデザインが微妙に違う3種類が用意されている。サイズによる最適デザインを目指しているのだ。

トレッドパターンは太い4本のストレートグルーブが基本だ。これで水はけをよくし耐ハイドロプレーン性能を確保している。

タイヤそのものは、アウト側とイン側がある左右非対称パターンで、アウト側のブロックは大きく、荷重が掛かったときにも負けない強さを持っている。イン側は乗り心地とウエット性能を確保するために小さいブロックだ。またこのイン側には特許取得済みの3Dマルチサイプが組み込まれている。これはイン側サイプの振幅を小さくすることでブロックの変形を抑え、グリップの向上を目指している。これらによりミニバンにありがちな片減りや段差摩耗などの偏摩耗を防ぐ効果も出ている。

軽&コンパクトカー用のトレッドパターンは通常のミニバンより車重が軽いクルマ用にモディファイされている。センターとそのイン側の3本は標準パターンと偏平用パターンと比べるとスリットが太くなっている。そのぶんブロック剛性は下がるが、車重が軽いためにタイヤに掛かる負荷が軽いのでバランスが取れているのだ。実質的なグリップの低下はせずに、乗り心地とウェット性能においてメリットが出るはずだ。

サイレントウォールは静粛性向上のために設けた。これはメイングルーブの側面に細かい凹凸をつけて空気の流れを変えてヒューというパターンノイズを低減しているのだ。

このMP4でとくにおもしろいアプローチなのが、特許出願中のNEWトリプルトレッド構造だ。ベースコンパウンドの上にアウト側とイン側の2種類のコンパウンドが乗るというレイアウトだ。ベースコンパウンドは低燃費のために転がり抵抗が小さなゴムを使っている。そしてアウト側のコンパウンドはNEWマルチハードコンパウンドと、いっぽうイン側はNEWソフトコンパウンドと呼ぶ。両側とも転がり抵抗の低減とウエット性能、摩耗低減のためにシリカを増量しているが、イン側には乗り心地に利くカーボン、アウト側にはグリップを稼げるカーボンを採用している。

振動吸収効果の高いノイズプロテクションシートを左右ショルダー内部に配置し、路面からの振動を抑えることによりロードノイズを低減している。ミニバンの2列目、3列目の乗員にも快適性を与える優しいタイヤだ。

サイドウォールの強化のしかたも進化した。カーカスというタイヤを包んで剛性を確保する糸のゴム層の部分の硬度を高めて、タイヤ全体のケース剛性を強化している。一番ホイールに近いビード付近の強化はビードフィラーの高硬度化とともにスチールサイドプライという補強が施されている。

MP4になって、ミニバンといえども幅広い車種にマッチした最適特性に合わせるため、3種類のトレッドパターンを持つまでに進化した。

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《こもだきよし》

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