ボルボ・カーズは世界で初めて、疲労などによる注意散漫の運転に警告を与える「ドライバー・アラート・コントロール」(DAC、運転手注意制御)を、乗用車用に実用化した。
これと、車線逸脱の警告をする「レーン・デパーチャー・ウォーニング」(LDW、車線逸脱警告)とをセットした「ドライバー・アラート・システム」を2007年末からオプションパッケージとして、『S80』、『V70』、『XC70』の3モデルに設定することを発表した。
ドライバー・アラート・コントロール(DAC)は、交通事故の90%近くがドライバーの注意力散漫が原因という調査結果をうけて開発されたもので、ロングドライブなどでドライバーの集中力低下を検知し、警告するシステムだ。
瞳の動きなどでドライバー自身をモニターするのではなく、ルームミラー裏側に装着されたカメラで撮影される路面映像と各センサーの組み合わせによって得た情報から、車自体の挙動をモニターする仕組みだ。
運転状況が適正に行われていないことを検知し、重大な事故を起こす前にドライバーに警告音とメーター内の警告表示(マルチインジケーター内にコーヒーカップのマークが点灯)で知らせる。疲労による注意散漫だけでなく、携帯電話の使用や同乗の子供に気を取られて運転に集中できていないといった状況にも対応するものだ。
また全事故数の4分の1を占めるといわれる単独で道路外に逸脱する事例を予防する為のシステムレーン・デパーチャー・ウォーニング(LDW)もDACとセットでオプション設定。
LDWはDACで用いられるカメラで路面の白線をトレースし、車線を逸脱する危険があれば警告音と警告表示が発せられるシステムで、ボルボ・カーズではLDWの装填により70−100km/hで発生するこれらの事故を30−40%抑止できるとの研究結果を出している。
DAC、LDWどちらも65km/hでシステムが稼動開始し、その後60km/h以上で走行している限りモニターし続ける。しかし白線や路面上にあるマークの数や塗装状況、霧や雪などの天候により、カメラの認識性が低下し、システムが正常に作動しない場合もあるとのことだ。