【伊東大厚のトラフィック計量学】“踏切すいすい大作戦”と踏切総点検

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【伊東大厚のトラフィック計量学】“踏切すいすい大作戦”と踏切総点検
【伊東大厚のトラフィック計量学】“踏切すいすい大作戦”と踏切総点検 全 2 枚 拡大写真

踏切すいすい大作戦

10月から先月にかけて、鉄道の中吊りなどで“踏切すいすい大作戦”の広告をごらんになった方もおられると思う。“踏切すいすい大作戦”とは、国と自治体、鉄道事業者などが全国で推進している踏切対策のことである(図1)。

【画像全2枚】

踏切は、渋滞、事故双方の発生原因となっている。一昨年の東武線での事故は記憶に新しいが、日本にある踏切3万6000か所のうち、渋滞の原因となるボトルネック踏切が4300か所、安全面で課題のある踏切が7700か所あるそうだ。

踏切での経済損失額は年間1兆5000億円にのぼる。道路交通全体の損失額が渋滞と事故あわせて16兆円程度であるため、そのほぼ1割に相当する額が踏切で発生していることになる。スムーズで安全な踏切にするための対策が必要とされるゆえんである。

◆踏切総点検の実施と公表

国土交通省は2005年度から2か年で全国の踏切で総点検を実施した。そのうち緊急対策が必要な1960か所を抽出し、それぞれの名称、位置、問題点が“踏切すいすい大作戦”ウェブサイト上で公開されている。

また点検結果は、図2のようにまとめられた。まず問題箇所が(1)開かずの踏切、(2)自動車と歩行者のボトルネック踏切、(3)歩道が狭隘な踏切、の3つに分類されている。これらの分類には明確な定義があり、例えば「開かずの踏切」は、“交通ピーク時に1時間のうち40分以上遮断機が降りている踏切”となっている。

対策は、問題に応じ、即効対策と抜本対策に分けられた。前者は踏切の歩道部分の拡幅や遮断時間の短縮などであり、後者は立体交差化を指す。また即効対策が1234か所、抜本対策が1428か所で行われるため、両方とも実施される箇所もある。

◆箇所ごとの情報開示が重要

総点検することで、どこで、どんな問題があるかがはっきりする。また、すべての対策箇所をウェブ上で公表したことは、情報開示の点でとても意義のあることだ。

もう一歩、個々の対策について情報の開示が望まれる。例えば対策前の写真と完成予想図や、工事の費用と効果の見通し、開始と完成予定時期があれば、より説得力が増す。また終了後に費用と効果の実績を示せば完璧ではないだろうか。

安全、円滑、防災など交通社会の課題を解決する上で、道路インフラ対策は国民の期待が大きい反面、公共事業に対する不信感が払拭できていない。問題と対策、費用と効果を箇所単位で明示することが、道路をより身近なものとし、信頼回復に役立つと思う。

《伊東大厚》

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