【京都議定書 第一約束期間スタート】達成目標の計画とその進捗は…国交省自交局担当者に聞く《前編》

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【京都議定書 第一約束期間スタート】達成目標の計画とその進捗は…国交省自交局担当者に聞く《前編》
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地球温暖化ガスの合計排出量を2012年までに1990年比で 5%以上を削減するという京都議定書の第一約束期間が2008年より始まった。日本では、年度がかわるこの4月が約束期間の正式なスタートとなる。行政における目標達成計画と進捗状況について、主に自動車の環境対策を担当する国土交通省自動車交通局技術安全部の担当者に話を聞いた。

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◆「約束期間のスタートとなる08年は非常に大事な1年」

----:この4月に、暫定税率期限切れによりガソリンの小売価格が大幅に下がった。この値下げは、自動車環境的に影響はあると考えるか。

国土交通省自動車交通局 技術安全部環境課 地球温暖化対策室 課長補佐 多田善隆氏:(暫定税率の期限切れが環境に影響があるかどうかというと)一般論としてはあると思う。だが、ガソリンの税率というのは政治の話でもあり、コメントは差し控えさせていただきたい。

----:京都議定書の第一約束期間が始まった。環境対策における国土交通省の役割と進捗は。

国交省の役割としては、自動車の単体技術、道路交通、エコドライブの指導などがある。日本のCO2総排出量を見ると、運輸部門が約2割、自動車部門はそのうちの9割を占める。われわれが担っている自動車の燃費改善は、目標達成に向けての大きな役割を担っていると考えている。また、約束期間のスタートとなる2008年度は非常に大事な1年というのも認識している。

こうしたなかで、国交省では自動車単体の対策で2010年に年間2100万トンのCO2を削減(2001年度比)する目標を立てている。さらに07年7月に策定した乗用車の2015年度燃費基準に加えて、世界で初めて重量車(トラック・バス)についても燃費基準を策定した。この2つの基準が燃費向上を促すことによって約350万トンのCO2をさらに削減できる見込みだ。米国も欧州もトラック・バスを対象とした基準は存在しない。

----:350万トンの追加削減となると1割以上の削減上積みだ。より多くのCO2削減ができた理由は。

多田氏:われわれもグリーン税制など支援措置をしているが、もちろん自動車メーカーの努力が非常に大きいと思う。2010年の燃費基準は、現時点で乗用車出荷台数の約8割が達成している。逆に基準が甘かったのではないか、といわれるかもしれないが、2010年の燃費基準は世界的に見てもトップクラスの厳しい基準と考えている。

◆重量区分方式を採用した理由は「それぞれの重量区分で燃費改善の技術開発をしてほしい」から

----:グリーン税制は2011年以降の燃費基準(2015年基準)以降も続くのか。

多田氏:グリーン税制は燃費だけでなく、排出ガスのクリーン化も加味されている。現在は2010年基準が指標になっているが、グリーン税制の基準切り替えは先の話のためまだ何も言えない。ただ、税制の見直しは基本的に2年に1回おこなわれるので、どこかのタイミングで見直しはあるかもしれない。

----:燃費基準を達成できなかった場合、メーカーにはペナルティが与えられるのか。

多田氏:基準をクリアしているかどうかというのは、目標年度(2010年度)にそれぞれの重量区分の出荷台数を加重平均して、その区分のメーカーとしての燃費平均値を出す。その平均値が基準値をクリアできていれば達成となる。基準は全ての重量区分で達成しなければならない。もし達成できなかった場合、まずメーカーに対して勧告をおこなう。その勧告に従わない場合は、公表という措置を採ることになる。ただし、クリアできなかったからといって、機械的に勧告を出すというわけでない。車種を選ぶのはユーザーであるので、何らかの理由で基準を達成できないクルマが売れてしまうこともある。企業の努力だけではどうにもならないケースなど、社会情勢など考慮して、勧告するかどうかを決める。

----:重量区分方法だと、その重量区分のなかで軽い部類のクルマは燃費基準をクリアしやすい。装備を加えるなどクルマを重くして燃費基準をクリアさせようとするケースもあるのでは。

多田氏:それは良く指摘される点だ。確かに、重量区分にした時点でその(クルマを重くして燃費基準をクリアさせる)可能性は否定できない。ただ、車両の平均重量の推移を見ると、安全基準が厳しくなったときに少し重くなったものの、その後はほとんど横ばいだ。また、燃費基準ばかりがクローズアップされているが、省エネ法には燃費値の表示義務がある。クルマを重くしたことで基準をクリアできたとしても、絶対的な燃費は悪くなり、カタログ表記の値も下がってしまう。

アメリカでは会社全体で目標値をクリアすればOKという方式(会社全体方式)を採っているが、それでは改善幅が大きい大型車ばかりに燃費改善技術が偏重してしまい、軽い区分のクルマの技術開発が進まない。われわれが会社全体方式を採っていないのはそれぞれの重量区分ごとに燃費改善の技術開発をしてほしい、という理由がある。(日本で販売されている車両の)平均燃費の推移を見ると、全体だけでなくそれぞれの重量区分ごとでも向上が見られているので、(重量区分方式は)いまのところうまくいっていると考えている。

----:トップランナー方式(その時点で市販されている自動車の燃費性能をベースとして、今後の技術開発の見通しなどを考慮に入れて基準値を策定する方式)について、2015年燃費基準の策定にはプリウスのようなハイブリッドカーはトップランナーとして扱われたのか。

多田氏:ハイブリッドのような特殊な技術を使った車両をトップランナーとしてしまうと、普通のガソリン車では基準を達成できず、結果として市場をねじ曲げてしまうことになる。したがってハイブリッドはトップランナーから除外している。だが、もちろんハイブリッドは燃費の改善技術としては有効なので、その重量区分に該当する車両として、出荷台数はカウントしてもいいことにしている。また、先ほど言及した350万トンの削減上積み分には、ハイブリッドの普及も考慮されている。(後編につづく)

《北島友和》

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