3列目シートでは足下段差もレッグスペースも極端に小さく、とても“ミニバン”風の使い勝手は望めないものの、それでもイザというシーンで合法的に7名もの人が乗り込めるのは大きな売り。
基本開発はBMWが担当した1.6リットルのターボ付き直噴エンジンはスタート時から力強いトルクを発揮。ただし、その先のアクセル踏み込みに対する加速力の発生度合いは時に過敏な印象もあり、「自然さ」という観点からするとややマイナス。
搭載するATが4速仕様なのは、商品イメージ上も何とも時代遅れな感否めず。緩加速状態でも40km/hになってようやく3速、70km/hに達してやっと4速…と、日本の環境下では低速ギアを長時間引っ張り過ぎる印象が強いシフトプログラムは、実用燃費の点でも悪さをしているはず。
フットワークは「しなやか」とまでは言えないものの、先に登場のハッチバック・モデルで感じられた“猫あし”と言うにはほど遠い硬さは見事に解消。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。