富山県警は17日、富山県高岡市内で故意にクルマへ接触し、負傷を装って治療費などを騙し取るという、いわゆる“当たり屋”行為で今年9月に逮捕・起訴された36歳の男が同様の事件を約200件起こしていたことを明らかにした。余罪の裏付けを進めている。
富山県警・高岡署によると、詐欺罪で逮捕・起訴された36歳の男は今年9月15日夕方、高岡市羽広付近の市道交差点を自転車で横断した際、72歳の男性が運転する乗用車へ故意に接触。転倒で負傷したことを装い、男性の親族から治療費名目の現金約10万円を騙し取った疑いがもたれている。
男はこの事件で逮捕されたが、後の調べで2007年11月から今年9月までの間、日本全国(33都府県)で同様の犯行を繰り返していたことが供述から判明している。その件数は約200件で、高齢者をターゲットにしていた。
このうち約80件については「男が被害者として自ら警察に通報した」もので、余罪としての裏付けが容易に取れる状態にあるという。出血を伴うケガを装うため、腕などを自らカッターナイフで切りつけていたこともあった。
警察では残る事件についても各都府県警と連絡を取りながら調べを進めていく方針だ。調べに対して男は「手っ取り早く儲けたかった」、「緊急回避ができそうにない高齢者を狙った」などと供述し、容疑を大筋で認めている。